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組織内起業という女性の働き方

組織内起業という女性の働き方

組織内起業という女性の働き方

コロナ禍もあり、オンライン上でのやり取りの幅は非常に広くなりました。
多種多様なコミュニケーション手段が出現していますし、働き方も実に多様になりました。

私の知り合いにも、医療職でありながら、WEBで患者さんを支えている方が増えてきています。

WEBの使い方は様々ですが、今回は組織内起業と働き方をご紹介したWEB交流会での話を元にして、組織内起業という働き方についてご紹介していきます。

1 組織内起業という働き方

私は、一児の子育て中ですが、共働き世帯でフルタイム勤務をしています。
普段は病院で勤務をしているので、テレワークというわけにもいかず、そこそこの通勤時間をかけて職場に向かっています。

自画自賛になってしまいますが、仕事そのものはやりがいもあり、長く務めた職場で気心の知れた優秀な同僚と一緒に働いており、充実していると言えると思っています。

組織の長に許可を得て正式にWEBでの活動もしており、前の職場での経験や、職能団体の仕事、自分のメインの仕事などを相互に行き来しつつ、それぞれで得た情報やノウハウなどを他方に活かして活動するように心がけてきました。

例えば、外部で得た知識・技術を職場に持ち込んで職場環境を整備したり、あるいは、職場で導入したシステムを参画している学術団体へ導入したりといった具合です。

組織内で一定の信頼が得られれば、新しい事業を組織内で立ち上げることにより、今までになかった経験や知識を身に着けていくこともできる上、キャリア形成という意味でも今までと異なる視点を持つことも可能になります。

今は副業もOKになったり、転職についてもかなりハードルが下がったりなど、自分のキャリア形成についても、様々な選択肢を取ることが可能になりました。

医療業界だけを見ても起業や転職を柔軟に考えている人が増えているように感じています。

一方で、自分の職場の風土や上長の考え方にも大きく影響を受けますが、場合により自施設にいるまま、自分のキャリア形成をうまくしていくことも可能な、組織内起業という形は非常に良い形であるように思います。

2 質疑が出て考えたこと

こういった働き方をご紹介した後、質疑応答の時間を作りました。参加者は、医療業界の方がほとんどです。

質疑では、どうやったら周囲に仕事を任せてもらえるのか?地域によって、「出る杭は打たれる」といった傾向がるような気がするがどうか?などの質問が出ました。

周囲に仕事を任せてもらえるかどうかについては、日々の積み重ねや信頼が大きく、できたかどうか以上に、経過報告や相談ができていたか、いわゆる「報・連・相」によるコミュニケーションが大きいという話になりました。

確かに出来上がりのクオリティは大事ですし、それを追求することは専門職として求められる姿勢でもありますが、何のコミュニケーションもなしに全然依頼した件についての音沙汰がなかったりするのは、頼んだ方も不安になるものです。

完成度を求めると、際限なくやるべきことは増えていってしまう「パーキンソンの法則」というようなものがあるように、やればやるほど完成から遠ざかってしまうように感じて、突き詰めてしまう方も多いようです。

しかし、仕事は原則的に相手・上司から依頼されたものを期待値以上に仕上げてこそ成立すする部分があり、自分自身の完成度というよりは、相手が何を求めているのかということが非常に重要です。

その為、完成度を求めて時間いっぱい使うよりは、こまめに報告・相談を入れて作り上げていく方が、相手に安心感を与えることができます。

もう一方、「出る杭は打たれる」については、その組織等の風土が大きく、まだまだ女性が働くこと自体に抵抗がある地域と、そうでない地域でも違ってくるでしょう。

この風土・文化については、ドラスティックに変える方法は実はあまりなく、例えば今回のコロナ禍など、「変わらざるを得ない」環境の変化が外的にでも行らない限りは、徐々に徐々に風土を変えていく方法しか現状ないのがもどかしいところです。

私も医療専門職ではありますが、現在行っている仕事は専門職の仕事でない仕事も多く、多種多様な業務を行っている関係もあり、「医療専門職として働いているのに、事務仕事などをしていると、憤りを感じないのか?」という質問も出ました。

これについては、正直、憤りを感じることもあります。「何故、自分がこの仕事をしないといけないのか」と頭をよぎることは、特に若いころは多くあったように思います。

しかし、現在はそういった医療専門職としての自分の仕事の範疇以外のカテゴリーの仕事でもコツコツ積み上げたことで、広く組織の仕事を把握したり、自分のスキルとしていくことができたことは、振り返ってみると自分の良い経験になっていたと思います。

3 過去は本当に変えられないのか?

ここで、過去は変えられないけど、未来は変えられる、という言葉について少し述べたいと思います。

先ほど、「振り返ってみると自分の良い経験になっていた」ということがあったと述べました。大変だった事実、憤りを考えていた事実を変えることはできないわけですが、振り返ってみるとよい経験だったと言えるということは、過去の事実に対しての意味付けをしているということに他なりません。

大変だった、自分に過負荷であった、たとえば修羅場だった、といった経験は、自分の能力をストレッチするよい機会になると経験学習の分野では述べられているのですが、それは自分の能力を少しはみ出るようなチャレンジングな仕事が、仕事上の成長を促すということになります。

過去を振り返ってみて、自分が成長を少ししていれば、大変だった経験も、修羅場も自分にとって意味のある過去になります。

「自分の仕事ではない」「自分の専門性とは違う」といったところで止まっていると、いつまでもその事実は事実のままですが、そこから少し時が経ち、経験を重ね、自分が成長をした時には、それは「意味のあった経験」に変わっているのです。

よく、大変な状況にある人に対しての言葉がけとして「これを経験として」「これを糧に」というものがありますが、これは未来に対して「前向きに取り組めよ」という意味ではなく、過去を振り返ってそう思えるとよいよね、という過去の意味付けに対しての言葉がけなんではないかな、と思います。

「前向きに取り組めよ」「ポジティブに」と言われても、余裕がない時にそれを受け入れられる人は少ないと思います。余裕がなくてもいい、怒っていてもいい、悲しくてもいいのです。

過ぎた時に、ちょっと成長して、ちょっと余裕が出た時に自分の大変だった経験を「良かった経験」として意味付けすることができることは、自分の過去を受け入れ、自分を少し励ますことができるキーワードになるように思います。

キングコングの西野さんという芸人、かつ実業家、かつ絵本作家さんは、こういったお話を含めて「理論上は失敗はない」とスピーチしていました。つまり、失敗のままで終わらせていれば失敗だけど、その失敗を意味付けし、アップデートし、進んでいくことができれば、それは失敗でなく「よい経験」「次へのステップ」になるのだという話です。

私自身、失敗を失敗で終わらせないように、自分を少しずつでもいいので、前進させて行きたいな、と思わされる主催者でありながら、自分自身が励まされる交流会になりました。

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