Blog
ブログ

女性のキャリアに活かせるアルムナイ

女性のキャリアに活かせるアルムナイ

女性のキャリアに活かせるアルムナイ

女性のキャリア発達の中で、ライフステージに合わせて職場や働き方を変えるというのは、比較的用いられている手段かと思います。

なので、嫌で辞めたというわけではなく、その時のライフステージに合っていなかっただけ、その時のスキルで行きたい部署に行けなかっただけ、というように、元職場にそれなりの愛着があるケースもあると思います。

雇用が流動化し、新卒採用一辺倒でなくなってきている現状の中で、この退職者と企業とのつながりに注目が集まりつつあります。

1 アルムナイとは?

アルムナイ(alumni)とは、人事領域で使われる場合には「企業の離職・退職した人の集まり」のことを指しています。

元々は同窓生、という意味があり、同じ学校の卒業生同士のつながりだったり、学校と卒業生とのつながりを意味しております。

私も、高校や大学の同窓会に参加しており、OBOG用のイベントなどに参加したことがあります。これを、企業と企業を退職した人ということでとらえているのが人事領域で使われるアムルナイということになります。

日本は元々終身雇用制度を取っていましたので、この退職者の存在というのは、企業にとってのプラスになる存在としてはイメージしづらかったと思います。しかし、終身雇用制度が終わりを迎えつつ、人材不足で悩む企業においては、「アルムナイ」と呼ばれる「企業の離職者・退職者」を貴重な人的資源とみなし、採用や採用に繋げるための関係性を保つための施策が取られるようになってきました。

アルムナイ制度は、キャリアの途中で転職した人をターゲットにしている点が、休職や定年退職等でのリタイア後の再就職と異なる点ではありますが、欧米では従来用いられていた制度で、日本でも徐々に導入する企業が増えてきているようです。

昨今のコロナ禍では、一度退職した人に声をかけ、再就職を促すような大手企業等も出てきており、自社の貴重な人的資源として期待している様子が見えました。

2 退職者にとっての企業とのつながり

個人が企業を去る場合の理由としては、様々なものがあると思います。会社に対しての信頼感の喪失や人間関係など、この会社と縁を切りたい!というようなケースもあると思いますが、逆にスキルアップしていきたいが、会社にそのポストがない場合や、配偶者の仕事の関係や出産などをきっかけに退職せざるを得ないケースなど、会社自身には愛着があるまま退職するケースもあります。

一度勤務したことがあるからこそ、勝手もわかるし、人間関係も一定程度出来上がっているなど、退職者にとって「古巣」というのは、愛着があればあるほど、戻りやすいケースなのかもしれません。

私自身にも「古巣」はありますが、現在も古巣にいる同期、私同様退職をしており、別の医療機関で活躍している人など様々ですが、同じ職場で頑張ったもの同士のつながりは、退職者にとっても日々の励みになったり、よりどころになったりするケースもあると感じています。

機密事項を除けば、情報交換などを行うことで、現職場で役立つ情報も得られることがありますので、お互いにとって刺激になる存在であることは、どちらにも利益があるように思います。

周囲で聞くことがあるケースとしては、妊娠・出産を機に一度退職したが、子育てがひと段落したタイミングで、元々の職場に復帰することになった方や、配偶者の転勤のタイミングで退職していたが、元々いた地域に戻ることになり、再就職を果たしたケースなどがあります。

3 企業にとっての退職者の存在

アルムナイというのは、前項で述べたように、退職者にとってもつながりを継続することでメリットがあるケースもありますが、企業にとっても同様に、このアルムナイというつながりを継続することにメリットを見出すケースがあります。

一つは、採用コストや教育コストを削減することができることです。

採用や教育については、新規採用をするためにかかるコストや、新人を教育するためにかかるコストは非常に高額になります。例えば、新卒採用にかかるコストは一人当たり50万円といわれていますし、中途の場合は100万円を超えると言われています。

これは、採用のために必要な広告や人件費、人材紹介会社などを通す場合は成功報酬等も含めてかかる金額の合計を一人当たりの単価にしたものになります。

教育コストも同様に、その時々の企業に生産性をもたらすことができない時期の新人に対して、人を付け、研修を組み、会社により外部講師を呼ぶといったように、教育コストが非常に高くなるわけです。

日本は新卒採用でその後終身雇用制という形でしたので、実は非常にこの採用コスト、教育コストをかけてきました。しかし、海外では即戦力を採用して教育費を下げる方向で運営されていることも多いため、企業風土はかなり違うものになっているでしょう。

アルムナイ採用は、その採用を継続するためにかかる費用の問題はありますが、この採用コストと教育コストを減少させることができる制度として考えられています。

また、自社で働いたことがある上で、他社での経験や知識・経験などを積み重ねていることで、新しいスキルを期待できるということも、導入の理由になっているようです。

もう一つ、アルムナイ制度を意識することでの重要なポイントは、自社のファン、自社に好意的な外部の人間を増やすことができるという意味で、ブランディング効果もあるのではないでしょうか。

退職したけど、あの会社、いい会社だった。商品はすごく好きだから、退職したけど使い続けている、というようにです。

自社を辞めた人は関係のない人、というよりは、退職した人は自社のファンとして関係性を構築していくのだ、という認識を意識できるということは、このアルムナイイ制度の良い点であると思います。

4 女性にとってのアムルナイ制度

女性は、どうしてもライフイベントの影響を受けやすい状況にあります。その為、「古巣」に愛着がありつつも、退職を選択せざるを得ない人はいらっしゃるのではないかと思います。

しかし、このような制度、制度はなかったとしても、そのような意識で居続けることは、自分自身のキャリアに深みや、枝葉を育てることになり、より幹である自身のメインのキャリアに養分を与えてくれるのかもしれません。

会社の同期や上司、後輩と緩くてもよいので良い関係性を持ち続けることができることは、双方にとって良い結果をもたらすことがあることを念頭に置いておきたいものですね。

こちらの記事もご覧ください。

◎女性に必要なキャリアの5大ポイント
◎産後の職場復帰を支える最も重要なコツとは?
◎どこに行っても重宝される女性のキャリアとは?
◎女性がキャリアを考える時、転職をゴールにするのはアリ?ナシ?

ブログ一覧

Contact
お問い合わせ

お問い合わせはメールにてお受けいたします。