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ヘルスケア関連業種ってなに?専門職としてのキャリアを覗いてみよう

ヘルスケア関連業種ってなに?専門職としてのキャリアを覗いてみよう

ヘルスケア関連業種ってなに?専門職としてのキャリアを覗いてみよう

ヘルスケアという言葉は、医療業界だけでなく、さらに広い領域を示しています。医療そのものが、非常に女性がたくさん働いている業界ですので、興味がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実際には病院や施設で働くだけでなく、一般企業や研究施設への就職、ということも視野に入ります。

今回は、このヘルスケア関連業種について、まずは知って、今後のキャリア形成のヒントにしてみてください。

1 ヘルスケア関連業種ってどんなものがあるの?

ヘルスケア関連業種は、医療、介護、保健、医療機器、製薬、バイオテクノロジーなど、様々な分野にまたがる産業群を指します。主な業種について、以下に詳しく説明します。

1)医療
医師や看護師、技師などが従事する、患者の健康を維持・回復するための医療業界です。診療所、病院、クリニック、医療センターなどが含まれます。

事務職など一部業種を除くと、ほとんどが国家資格を持って働いており、働く人の人数や、働く領域、書類作成については細かく法律で規定されており、2年に1度の診療報酬改定で医療の方向性について決められています。

2)介護
高齢者や身体障害者など、生活上のサポートが必要な人々に対して、介護サービスを提供する業界です。介護施設、介護付き有料老人ホーム、訪問介護、介護予防サービスなどが含まれます。

日本のように超高齢社会ではニーズが非常に高くなっていき、また、機械化・自動化しにくい領域ですので、「AI・機械に置き換わらない仕事」となっています。

3)保健
健康管理や予防医療を提供する業界です。公的機関や民間企業が、検診、健康相談、予防接種、健康教育などを行っています。

産業領域と呼ばれることもあり、病院にかかる前に疾病を予防していくことが主たる目的となっているため、診療報酬等に縛られない取り組みができる領域です。

4)医療機器
診断、治療、リハビリテーションなどに使用される医療機器の開発、製造、販売を行う業界です。人工関節、人工内耳、血糖測定器、血圧計などが含まれます。

AIや自動化、機械化の流れが一番到来している領域と言えます。医療専門職と工学系の専門家が協業している場合も多く、双方をつながるコミュニケーション能力の高い方が重宝される分野でもあります。

5)製薬
医薬品の研究、開発、製造、販売を行う業界です。新薬の研究開発に時間と資金がかかることが多いため、多くの企業が協力し、高度な技術を持った研究者が集まっています。

コロナ禍での新薬やワクチンの開発などで、一般的にかなり知名度が上がった領域です。薬剤師の資格を持っている人や、化学系の専門家が多い分野でもありますが、医療機関との橋渡しや、治験コーディネーターなどのように、コミュニケーション能力やプロジェクトマネジメント能力が生きる領域でもあります。

6)バイオテクノロジー
生命科学やバイオテクノロジーに関する研究、開発、製造を行う業界です。バイオテクノロジーは、遺伝子治療、再生医療、バイオ燃料、バイオプラスチックなどの分野で注目されています。

ノーベル賞受賞等でも脚光を浴びる機会があったため、ご存知の方も多いと思いますが、高い専門性が要求される分野で、医療職出身の方や、化学系の専門家が多い分野です。

ヘルスケア関連業種は、人々の健康に関わる非常に重要な産業であり、世界的にも成長が期待されています。しかし、高度な技術を必要とすることから、敷居を高く感じられるかもしれません。

医療職が現場から離れて、転職する際には、このヘルスケア関連業種の中で移動する機会も多いのではないでしょうか。

2 女性医療職が転職する場合の障壁

医療職の女性がヘルスケア関連業種に転職する場合、以下のような障壁がある場合があります。

>業種特有の知識やスキル不足
ヘルスケア関連業種には、医療や看護、薬学などの専門知識が必要な職種が多く存在します。また、それに伴う業務スキルや技術も求められるため、医療職からの転職には専門的な知識やスキルが必要になることがあります。

>業種固有の資格や認定が必要
医療系の職種には、国家資格や業界団体が認定する資格が多数あります。これらの資格を持たない場合、求人条件をクリアすることが難しくなる場合があります。

>女性の場合、男性に比べてハードルが高い
医療職は女性が多い一方で、管理職や技術職などで女性の比率が低いため、女性が上位ポジションを目指す場合、男性に比べてハードルが高くなることがあります。また、医療現場では夜勤や残業が多いことが多く、家庭との両立が難しい場合もあります。

前述の2つが男性にも言えることであることと比べると、女性が不利になりやすいポイントと言えるかと思います。

これらの障壁を乗り越えるためには、医療関連業界に関する知識やスキルを磨くことや、資格の取得などが必要です。また、女性が管理職や技術職に進出するための支援制度が整備されている企業もありますので、求人情報や企業の制度について調べることも大切です。

3 ヘルスケア関連業種のこれから

ヘルスケア関連業種は、高齢化や健康意識の高まりにより、今後も需要が拡大すると予想されています。以下に、ヘルスケア関連業種の将来性について詳しく説明します。

1)高齢化による需要拡大

高齢化が進む中で、医療や介護、福祉などの需要が拡大しています。特に、慢性疾患や認知症などの高齢者向けのサービスについては、今後も需要が増えると予想されています。

日本政府は高齢化に伴う医療ニーズの拡大に対応するため、以下のような政策を進めています。

1.医療従事者の増員:医療人材の不足を解消するため、医師や看護師、薬剤師、臨床検査技師などの増員を進めています。具体的には、医師数を2035年までに18万人から20万人に、看護師数を30万人から35万人に、薬剤師数を11万人から18万人にそれぞれ増やす目標を掲げています。

2.地域医療の強化:高齢者が住み慣れた地域で医療を受けられるよう、地域医療の充実を進めています。具体的には、地域医療圏を設定し、地域医療連携システムの整備や在宅医療の拡充、地域医療の人材確保などを支援しています。

3.医療技術の導入:ICT技術の導入により、医療の質や効率性を向上させることが目的です。具体的には、電子カルテの普及や、医療データの統合的な管理、診断支援システムの導入、テレメディシンの普及などが挙げられます。

4.予防医療の推進:生活習慣病などの予防に重点を置いた医療を進めることで、医療費の削減や健康寿命の延伸を目指します。具体的には、がんや認知症などの早期発見・早期治療のための検診・健診の充実、栄養指導や運動療法の推進などが挙げられます。

これらの政策により、高齢化社会における医療ニーズに対応する体制の整備が進められています。

2)ヘルスケアIT技術の進化

近年は、ヘルスケア分野におけるIT技術の進化が進んでおり、医療データの共有や健康管理アプリの普及など、医療現場や一般消費者にとって大きなメリットが生まれています。今後も、IT技術を活用したヘルスケアサービスの開発や導入が進むと予想されています。

ヘルスケアIT技術の進化に関して、日本政府は「健康寿命の延伸」を目的として、以下のような政策を進めています。

1.デジタルヘルス技術の活用促進
日本政府は、デジタルヘルス技術の活用促進を目的として、2015年に「健康・医療分野における情報化推進基本法」を制定しました。この法律に基づき、医療情報の電子化や健康情報の収集・分析に向けた取り組みが進められています。

2.ヘルスケアIoTの普及
日本政府は、ヘルスケアIoTの普及に向けて、2016年に「IoT推進ラボ」を設立しました。このラボでは、IoTを活用した医療機器やヘルスケアアプリの開発・検証が行われています。

3.健康情報の活用促進
日本政府は、個人が持つ健康情報を活用した新しいビジネスの創出を促進するため、2019年に「健康情報経済戦略」を策定しました。この戦略では、個人の健康情報の収集・分析による新たなビジネスモデルの創出や、健康保険の保険料設定における健康データの活用などが提言されています。

4.AIの活用
日本政府は、AI技術を活用して医療の効率化や医療データの分析を進めることを目的として、2020年に「AI医療研究開発推進事業」を開始しました。この事業では、AI技術を活用したがん診断支援システムや、救急医療におけるAIの活用などが研究・開発されています。

3)予防医学の普及

近年、健康に対する意識が高まっており、予防医学の重要性が注目されています。これにより、運動や栄養などの健康増進サービスが注目を集め、今後も需要が拡大すると予想されています。

予防医学の普及については、日本政府も積極的に取り組んでいます。具体的には、以下のような政策があります。

1.健康づくりの推進
厚生労働省が定めた「健康づくりの推進に関する指針」に基づき、市町村など地方自治体による健康づくりの取り組みが支援されています。また、企業に対しても健康経営の取り組みが求められており、健康増進に取り組む企業に対しては税制優遇措置が設けられています。

2.健診の普及
国民健康保険の健康診査や、企業における健康診断など、健康状態を定期的にチェックする健診の普及が進められています。

3.生活習慣病対策
生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)の予防・改善を目的とした政策もあります。たとえば、食品表示の見直しや、喫煙規制の強化などが挙げられます。

4.オンライン診療の拡充
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、オンライン診療の需要が高まっています。政府は、オンライン診療の普及を推進するため、医療機関に対して診療報酬の支払いを行うようになりました。

5.医療機器の技術革新
健康診断や治療に使用される医療機器の技術革新も進んでいます。たとえば、スマートフォンアプリを使った健康管理や、睡眠をモニタリングするデバイスなどが開発されています。

以上のような政策により、予防医学の普及が進められています。

4)医療制度改革の進展

医療制度改革が進んでおり、今後も医療サービスや福祉サービスの内容や形態が変化していくことが予想されています。これに伴い、新しいサービスの開発や既存サービスの改善が求められることから、ヘルスケア関連業種においても様々なニーズが生まれることが予想されています。

医療制度改革は、日本政府が医療・介護の質の向上と財政の持続可能性を確保するために進めている改革です。具体的には、以下のような政策が進められています。

1.医療機関の改革
医療機関に対して、診療報酬の改定や経営効率化のための支援など、様々な改革が進められています。また、地域医療の充実のために、診療所や訪問看護ステーションの開設なども支援されています。

2.予防医療の推進
予防医療の普及に向けて、健康診断の充実や生活習慣病の予防に関する取り組みが進められています。また、がん検診の無料化や、人間ドックの拡充なども進められています。

3.電子カルテの導入
電子カルテの導入により、医療の質の向上と効率化が進められています。また、医療情報の共有化により、医療連携の充実も図られています。

4.薬剤師による医療業務の拡大
薬剤師による医療業務の拡大が進められています。薬剤師が処方箋の管理や調剤、薬の服用指導などを行うことにより、医療の質の向上が期待されています。

5.在宅医療の充実
高齢者や障がい者の在宅医療の充実が進められています。在宅医療により、入院を必要としない病気や怪我の治療が可能になり、医療費の削減や患者のQOL向上が期待されています。

これらの要因から、ヘルスケア関連業種には今後も需要が拡大すると予想されています。ただし、医療や福祉などの業種は、医療従事者や患者さんとの信頼関係が非常に重要であり、安全かつ信頼できるサービスの提供が求められます。業界関係者は、それに応えるために技術やサービスの向上に努める必要性があります。

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