働く女性のキャリアとメンタルヘルス
女性が働く際のキャリアについてここまで取り上げてきましたが、キャリアをしっかり継続させていくために必要な原動力として、もう一つ、メンタルヘルスについて注目したいと思います。
以前、過労での自殺問題等が話題になりました。自殺まで行かなくても、働く中で精神的な健康を阻害されてしまい、休職や退職をせざるを得なくなるケースは実際はかなり多くあります。
また、メンタルヘルスというと、うつ病など病気の話?と思いがちですが、ここでのメンタルヘルスとはもう少し広い意味で、精神的な健康度を保って生活していけるかどうか、ということでお話をしていきたいと思います。
以前、過労での自殺問題等が話題になりました。自殺まで行かなくても、働く中で精神的な健康を阻害されてしまい、休職や退職をせざるを得なくなるケースは実際はかなり多くあります。
また、メンタルヘルスというと、うつ病など病気の話?と思いがちですが、ここでのメンタルヘルスとはもう少し広い意味で、精神的な健康度を保って生活していけるかどうか、ということでお話をしていきたいと思います。
1 メンタルヘルスが何故重要か
① 会社の視点
働く人のメンタルヘルス不調は年々増えていると言われ、経営的な問題にも反映する大きな問題と認識されています。
例えば、JILPTが調査した発表では、メンタルヘルスの問題での休職者・退職者は3割から6割程度の事業所で報告されており、年々増えているということです。
うつ病等精神疾患は、頻度こそ少ないですが、発症すると経済的な損失が大きいと言われており、企業としても、その対策を十分に重ねないといけないという認識は広がってきています。
病気にならないまでも、メンタルヘルスの問題が出始めると、仕事の能率や効率が下がり、いわゆる生産性の低い状態が常態化してしまうことがあり、そのような状態では、経営的にもマイナスであるという認識をしています。
この状態のプレゼンティーズムと呼んでいます。
そして、休職まで至り、出勤できない状態になるとアブセンティーズムという言い方をします。
企業としては、従業員には最大限能力を発揮してもらい、できるだけ小さい労力で最大の効果(利益)を上げてほしいと思っているわけですから、この生産性が下がってしまうということは、非常に大きな経営的な問題でもあるわけです。
例えばですが、なんとなく仕事に集中できない、いつもだったら10分で終わる仕事に15分かかる、ミスが多く、その修正のためにチェックや修正用の時間が必要になってくる、など、メンタルヘルスに問題があり、仕事に身が入らない状態になることには、本人がつらい思いをする以外にも問題が出てきてしまうのだ、ということです。
なので、最近ではEAP(従業員支援プログラム)などを取り入れて、研修やカウンセリングサービスなどを標準的に装備していく会社も増えてきています。
例えば、JILPTが調査した発表では、メンタルヘルスの問題での休職者・退職者は3割から6割程度の事業所で報告されており、年々増えているということです。
うつ病等精神疾患は、頻度こそ少ないですが、発症すると経済的な損失が大きいと言われており、企業としても、その対策を十分に重ねないといけないという認識は広がってきています。
病気にならないまでも、メンタルヘルスの問題が出始めると、仕事の能率や効率が下がり、いわゆる生産性の低い状態が常態化してしまうことがあり、そのような状態では、経営的にもマイナスであるという認識をしています。
この状態のプレゼンティーズムと呼んでいます。
そして、休職まで至り、出勤できない状態になるとアブセンティーズムという言い方をします。
企業としては、従業員には最大限能力を発揮してもらい、できるだけ小さい労力で最大の効果(利益)を上げてほしいと思っているわけですから、この生産性が下がってしまうということは、非常に大きな経営的な問題でもあるわけです。
例えばですが、なんとなく仕事に集中できない、いつもだったら10分で終わる仕事に15分かかる、ミスが多く、その修正のためにチェックや修正用の時間が必要になってくる、など、メンタルヘルスに問題があり、仕事に身が入らない状態になることには、本人がつらい思いをする以外にも問題が出てきてしまうのだ、ということです。
なので、最近ではEAP(従業員支援プログラム)などを取り入れて、研修やカウンセリングサービスなどを標準的に装備していく会社も増えてきています。
② 個人のキャリアの視点
何故、こういった取り組みが重要かというと、会社の経営状態の問題だけでなく、こういったメンタルヘルスの問題から、自分自身が望むキャリアをあきらめざるを得ない状態になってしまう方がいらっしゃるからです。
メンタルヘルスに問題がある状態では、前向きにキャリアについて考えることができません。
それを、できるだけ防止し、皆が自分自身のキャリアを歩んでいけるようになるためには、精神的な健康度が高い状態、あるいはよい状態を維持しながら、キャリア形成をしてく必要性があるからです。
日々の生活のため、子供の学費のため、仕事を始める方もいらっしゃると思いますが、せっかくであれば、自分自身もやりがいを持てる仕事に就きたいと考える方がほとんどであると思います。
また、前向きなキャリア形成を行っている方のパフォーマンスというのは、総じて高いですから、組織としても、歓迎されることなのです。
転職市場では、必ずこういったキャリア形成をどう考えているのか、ということについて面接で聞かれますので、企業が重要にしている点であることは間違いないと思います。
なので、職場環境を整備し、働きやすい現場を作ることで、企業にとっても、個人にとっても必要度が高いのが、メンタルヘルス問題に対しての取り組みだということになります。
メンタルヘルスに問題がある状態では、前向きにキャリアについて考えることができません。
それを、できるだけ防止し、皆が自分自身のキャリアを歩んでいけるようになるためには、精神的な健康度が高い状態、あるいはよい状態を維持しながら、キャリア形成をしてく必要性があるからです。
日々の生活のため、子供の学費のため、仕事を始める方もいらっしゃると思いますが、せっかくであれば、自分自身もやりがいを持てる仕事に就きたいと考える方がほとんどであると思います。
また、前向きなキャリア形成を行っている方のパフォーマンスというのは、総じて高いですから、組織としても、歓迎されることなのです。
転職市場では、必ずこういったキャリア形成をどう考えているのか、ということについて面接で聞かれますので、企業が重要にしている点であることは間違いないと思います。
なので、職場環境を整備し、働きやすい現場を作ることで、企業にとっても、個人にとっても必要度が高いのが、メンタルヘルス問題に対しての取り組みだということになります。
2 メンタルヘルスの3つの分類
① 一次予防
一次予防は、病気になる前の、健康的な状態を保つことを指します。
その為、個別的な対応というよりは、職場環境の整備や、ハラスメントの起こりづらい雰囲気、心理的な安全性の保たれている組織などを作っていく全体的な取り組みが有効です。
また、メンタルヘルスの問題についての認識をしてもらい、早期発見ができるようなチェック体制・支援体制を作っていくことも効果的です。
どうしてもメンタルヘルスの問題は本人の「甘え」と言われてしまう部分がありますので、正確な知識を知ってもらうことは重要です。
「甘え」ととらえられていることが判ると、どうしても弱音を吐けなくなったり、改善案等を提案しにくくなりますので、早期発見や、軽症なうちに対応することが難しくなります。
今は、従業員が持っているバックグラウンドも多様ですので、多様な意見がしっかり上がってくるような形を作っておかないと、職場環境の整備は先に進めません。
「言ってもいいんだ」という心理的な安全性があることが、結果的に柔軟で強い組織を作っていく足がかりになります。
その為、個別的な対応というよりは、職場環境の整備や、ハラスメントの起こりづらい雰囲気、心理的な安全性の保たれている組織などを作っていく全体的な取り組みが有効です。
また、メンタルヘルスの問題についての認識をしてもらい、早期発見ができるようなチェック体制・支援体制を作っていくことも効果的です。
どうしてもメンタルヘルスの問題は本人の「甘え」と言われてしまう部分がありますので、正確な知識を知ってもらうことは重要です。
「甘え」ととらえられていることが判ると、どうしても弱音を吐けなくなったり、改善案等を提案しにくくなりますので、早期発見や、軽症なうちに対応することが難しくなります。
今は、従業員が持っているバックグラウンドも多様ですので、多様な意見がしっかり上がってくるような形を作っておかないと、職場環境の整備は先に進めません。
「言ってもいいんだ」という心理的な安全性があることが、結果的に柔軟で強い組織を作っていく足がかりになります。
② 二次予防
二次予防は、重症化予防ということになります。発症したとしても、できるだけ軽症で済むように、早期に介入し治療をしていくことが求められます。
早期発見し、軽症なうちに対応できることで、問題が大きくならないうちに解決に至らせることが可能になります。
メンタルヘルスの問題は、目に見てわかることでないことも多いため、目に見てわかる状態になるまで放置しておくと、問題が非常に大きくなってしまうことがあります。
なので、軽症なうちに適切な対応ができるように、早期発見、早期治療に結び付けていくことが必要になります。その為には一次予防と合わせて、同僚同士や上司からの支援は非常に重要になります。
早期発見し、軽症なうちに対応できることで、問題が大きくならないうちに解決に至らせることが可能になります。
メンタルヘルスの問題は、目に見てわかることでないことも多いため、目に見てわかる状態になるまで放置しておくと、問題が非常に大きくなってしまうことがあります。
なので、軽症なうちに適切な対応ができるように、早期発見、早期治療に結び付けていくことが必要になります。その為には一次予防と合わせて、同僚同士や上司からの支援は非常に重要になります。
③ 三次予防
三次予防は、一定程度重症化してしまった方が、また自宅や社会に帰っていけるように支援することを指します。
自宅療養だけでなく、入院治療が必要になる方もいるため、こういった場合には、時間を一定程度とって、徐々に復帰への道筋を整備していくことになります。非常に長い道のりになることも多いため、辛抱強く対応することが必要になります。
こういった場合には、精神科の専門チームと家族に治療を任せ、職場としてはできることが非常に少なくなってしまいます。
自宅療養だけでなく、入院治療が必要になる方もいるため、こういった場合には、時間を一定程度とって、徐々に復帰への道筋を整備していくことになります。非常に長い道のりになることも多いため、辛抱強く対応することが必要になります。
こういった場合には、精神科の専門チームと家族に治療を任せ、職場としてはできることが非常に少なくなってしまいます。
3 メンタルヘルス対策の4つの方策
こういったメンタルヘルスの問題に対しての対策は、大きく4つに分かれていると低床されています。
この項ではこの4つについて簡単に解説していきます。
この項ではこの4つについて簡単に解説していきます。
① セルフケア
セルフケアは、文字通り自分自身で行うことのできるケアのことを指します。働く人が自らのストレスに気付き、予防対処していき、また事業者がそれを支援することとされています。
例えば、自分自身がどんなことにストレスを感じやすいかを知ることや、それをどういう対処行動(コーピングと言います)で対応しているか、などを知ることから始め、自分自身が自分自身を上手にケアしていくことができるようにしていきます。
事業者は、学びやすいようにパンフレットを配布したり、あるいは研修会等を定期的に開催するなど、メンタルヘルスに対しての知識や、セルフケアの知識・方法について従業員が得やすいように支援をしていきます。
自分達自身で研修会開催をするのも手ですし、専門の会社に依頼をしていく方法もあります。
例えば、自分自身がどんなことにストレスを感じやすいかを知ることや、それをどういう対処行動(コーピングと言います)で対応しているか、などを知ることから始め、自分自身が自分自身を上手にケアしていくことができるようにしていきます。
事業者は、学びやすいようにパンフレットを配布したり、あるいは研修会等を定期的に開催するなど、メンタルヘルスに対しての知識や、セルフケアの知識・方法について従業員が得やすいように支援をしていきます。
自分達自身で研修会開催をするのも手ですし、専門の会社に依頼をしていく方法もあります。
② ラインケア
ラインケアは、管理監督者が行うケアのことを指します。
日頃の職場環境の把握と改善、部下の相談対応を行うことなどとされています。
例えば、ストレスチェックの結果について、フィードバックを受けた上で、対策を講じたり、労働環境の整備等を行うことも含まれます。
また、面談を通じて、従業員のメンタルヘルスについて目配りをしたり、必要時にサポートをすることなどが含まれます。
当然、管理監督者に対してもサポートが必要ですし、従業員をサポートできるような知識・技術の指導も必要になりますので、各種研修会等を開催しながら対応のレベルを維持・向上させていくことが望まれます。
日頃の職場環境の把握と改善、部下の相談対応を行うことなどとされています。
例えば、ストレスチェックの結果について、フィードバックを受けた上で、対策を講じたり、労働環境の整備等を行うことも含まれます。
また、面談を通じて、従業員のメンタルヘルスについて目配りをしたり、必要時にサポートをすることなどが含まれます。
当然、管理監督者に対してもサポートが必要ですし、従業員をサポートできるような知識・技術の指導も必要になりますので、各種研修会等を開催しながら対応のレベルを維持・向上させていくことが望まれます。
③ 事業場内産業保健スタッフ等によるケア
事業場内産業保健スタッフ等によるケアは、企業の産業医、保健師や人事労務管理スタッフが行うケアのことを指します。
規模が小さい会社の場合は、人事の方が担当者、ということもあるかと思います。中規模以上の会社の場合は、専任されていることが多いため、その方を中心にチームを組んで担当することが多いようです。
ここには、労働者や管理監督者等の支援や、具体的なメンタルヘルス対策の企画立案を行うことなども業務に含まれます。
ラインケアの一部をサポートしたり、研修会の開催を行うことで、現場の対応力強化なども図っていきます。
規模が小さい会社の場合は、人事の方が担当者、ということもあるかと思います。中規模以上の会社の場合は、専任されていることが多いため、その方を中心にチームを組んで担当することが多いようです。
ここには、労働者や管理監督者等の支援や、具体的なメンタルヘルス対策の企画立案を行うことなども業務に含まれます。
ラインケアの一部をサポートしたり、研修会の開催を行うことで、現場の対応力強化なども図っていきます。
④ 事業場外資源によるケア
事業場外資源によるケアは、会社以外の専門的な機関や専門家を活用し、 その支援を受けることを指します。
アメリカなどでは、EAPを専門としている会社に支援を依頼することは一般的ですが、日本ではまだまだその数は少ない状態です。
ストレスチェック制度も始まっている一方で、なかなかその活用はされていなかったり、ストレスチェック制度を請け負っている会社も、EAP本体まで行っているところは少ない状態です。
いかがでしたでしょうか。
一つの職場では、なかなか人事労務の担当者でないとこういった情報に触れないのかもしれません。
キャリア形成とは別のものであるというイメージがある方もいらっしゃると思いますが、メンタルヘルスは、キャリア形成の土台ともいえる部分になりますので、メンタルヘルスの問題に前向きに取り組めると、自分自身の土台を強固なものにしているということができますので、是非、関心を持っていただければと思います。
アメリカなどでは、EAPを専門としている会社に支援を依頼することは一般的ですが、日本ではまだまだその数は少ない状態です。
ストレスチェック制度も始まっている一方で、なかなかその活用はされていなかったり、ストレスチェック制度を請け負っている会社も、EAP本体まで行っているところは少ない状態です。
いかがでしたでしょうか。
一つの職場では、なかなか人事労務の担当者でないとこういった情報に触れないのかもしれません。
キャリア形成とは別のものであるというイメージがある方もいらっしゃると思いますが、メンタルヘルスは、キャリア形成の土台ともいえる部分になりますので、メンタルヘルスの問題に前向きに取り組めると、自分自身の土台を強固なものにしているということができますので、是非、関心を持っていただければと思います。