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人口オーナス期の女性のキャリア形成

人口オーナス期の女性のキャリア形成

人口オーナス期の女性のキャリア形成

女性のキャリア形成について、昨今ではかなり情報量が多くなってきました。
日本における女性の就業率は非正規雇用が多いもの右肩上がりに上がっていますし、管理職として、あるいは個人事業主として活躍される方も増えていると思います。

一方、日本の動向をみると、人口オーナス期に既に突入してきており、
働き方の変更や価値観の見直しなど様々なところで従来の価値観から離れていかないといけない時期になっています。

今回は、この人口オーナス期における女性のキャリア形成について考えてみたいと思います。

1 人口オーナス期とは?

人口オーナスとは、人口ボーナスと反対に、従属人口(14歳以下と65歳以上の人口)が生産年齢人口(15~64歳)を上回る状態です。

オーナス(onus)は負担・重荷を意味します。

日本では急速に少子化が進行していますので、今後日本には人口ボーナス期は訪れないと言われています。

人口オーナス期の特徴としては、経済成長が止まりがちとなり、社会保障制度が維持できなくなってきます。また、医師や介護従事者の不足などが挙げられています。

日本では、1950年~1990年までが人口ボーナスに該当し、大きな経済成長を遂げました。

高度経済成長期、なんて言われていた時代ですね。

しかし、その後は、人口オーナス期に入り経済が停滞していきます。

2040年問題とは、日本が2040年に直面すると考えられる問題の総称です。医療従事者としては非常におなじみの言葉となりましたが、2040年問題とは、1971年~1974年の第二次ベビーブームに生まれた団塊ジュニア世代が65歳以上となります。

総人口に対する高齢者の割合は、36.2%となることが予測され、約2.8人に1人が高齢者という計算になります。

当然ながらこれでは、今まで通りの状況だと、社会保障制度維持できなくなるのはわかりますし、生産年齢人口の人々にのしかかる負担は非常に大きくなると思われます。

では、何故人口オーナス期というのは生まれていくのでしょうか。

これは、人口ボーナス期(オーナス期とは逆で、生産年齢人口が多い時代、経済成長しやすい)に富裕層が生まれ、富裕層は子供に教育投資をするので、子供が高学歴化してきます。

高学歴化していくと、人件費が上昇し、また、結婚年齢が男女ともに後ろにずれていき、少子化の方向性に進んでいきます。

人件費が高騰し、教育費をかけようとすると、どうしても子供の数を抑える家庭が増えてくることも一因であると思われます。

しかし、経済が停滞してしまうと、国としては非常に維持が大変になってきます。

これを解決していく方法として挙げられているのに、高齢者や障碍者、女性が労働を行うことや、生産性を高めることなどがあげられます。

最近では、例えばモスバーガーなどが高齢者雇用を積極的に行っていますし、障碍者雇用も国として推し進めており、企業に求める障碍者雇用割合は増えていっています。

女性も、就業率は高まってきていますし、この傾向はさらに加速化していくでしょう。

2 人口オーナス期に必要な働き方とは?

ここまで見てきても、人口オーナス期についてよいことはない、という印象をお持ちだと思います。

実際に、そうなんですね。
ボーナス期が終了し、オーナス期についてはマイナスイメージが付きまといます。

しかし、これは、日本だけでなく、アメリカ等も既にオーナス期に突入している国も同様です。

では、人口オーナス期に必要な働き方とはどんな働き方でしょうか。

それは、一つは、できるだけ多くの人が働くこと。性別、あるいは高齢かどうか、障害があるかどうかに限らず、できるだけ多くの人に働いていただく必要があります。

一方、日本は諸外国に比べて残業代の割増賃金はその割合が低いほうですが、それでも25~60%と割増しした賃金を支払う必要性がありますので、基本的にはできるだけ短時間の勤務でよりよい成果を目指す、生産性の高い働き方をする必要性があります。ちなみに、日本人の時給は中国人の8倍、インド人の9倍だそうなので、時間当たりの生産性を高めないと、国際競争に打ち勝てません。

もう一つは、できるだけ多様な人が働くことができる環境を整えることです。これは、働く人を増やすことができるということだけでなく、この変動の多い時代に多様な価値観が組織内に入っていることで組織の多様性を担保でき、提供できるサービス等についても幅が出るでしょう。

この3つの条件を満たす働き方を日本はしていかないといけないということになります。

3 人口オーナス期における女性の働き方とは?

さて、それでは、この流れの中で、女性はどう働いていくのが良いのでしょうか。

先ほどの「できるだけ多様な人に働いてもらう」「短時間で働く」「多様な人が働くことができる環境を整える」という3つの条件は、実は女性の働き方としては非常に良い働き方ではないでしょうか。

女性で、残業をせず時間内にできるだけよい成果を出し、制限があっても多様な働き方を選択できるとすると、女性はもっと働きやすくなります。

また、こういった話をすると、女性ばかり優遇されている、というような話が必ず出てきますが、制限が発生するのは、今後女性だけではありません。

共働きが増えている以上、性別役割分業に関する意識は確実に変わっていきますので、制限は育児期の男性にも発生することにもなりますし、高齢社会に入っている日本としては、介護の問題を考えないわけにはいきません。

介護も、女性が家庭内の仕事して担ってきた部分が多かったと思いますが、これからは実子に扶養義務があるなど、「嫁」でなく実子である「夫」が介護を担う形になっていく形になる方向性であるのは、ある種確実ともいえるでしょう。

そうなると、男性についても、女性についても、高齢者であっても、それぞれ制限がある人がどう働くかというノウハウの蓄積をする機会を、女性活躍推進法で事業所は積み上げていくことが可能になります。

今後は、女性が働くということが、将来の日本の姿を変えていく大きな流れになっていくのだと思います。

こちらの記事もご覧ください。

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