内的キャリア、外的キャリアという言葉は、エドガー・シャインという方が提唱された概念です。
外的キャリアは、例えば、業種や職種、役職、年収など目に見て、履歴書に書くことができるようなことを指します。

キャリア形成というと、こちらを連想される方が多いと思います。

どんな仕事について、どんな役割を担っており、どんな業績を残し、それによりどのくらいの年収を得ているのか、といったような情報になりますので、例えば人材紹介会社やヘッドハンターと会った時にも、そういった情報を多く取り扱われていると思います。また、戦略的にこの外的キャリアを形成していくことが可能です。

給与等に直接結びつきやすいのも、外的キャリアですので、この流れは当然の流れであるのかもしれません。

一方、現在はかなり変動、曖昧さ、複雑さがある時代になっていますので、今までもてはやされていたような外的キャリアがいつまでも評価されるかは不透明です。

例えば、医療職は以前は医師以外は大学院まで進む形の6年制教育を組まれていませんでしたが、薬剤師も追従し、その他の職種も専門学校教育から大学教育へと徐々に移行し、現在は大学院に行く方も増えています。なので、昔は医師以外の職業の方で、大学院に行く方は少なく、「大学院にいく＝すごい人材」といった図式もありましたが、現在ではそれほど珍しいことではなくなりつつあります。

今は、少子化も進んでいる傍ら大学も増えているので、大卒の割合もかなり増えています。以前は大学にいくことがエリートコースだった時代から、大学は当たり前で、どこに行くかが大事、さらに進んで、現在はどこで何を学んでいるかが大事、と変化しつつあります。

画一的な、継続的な価値観ではこの外的キャリアの形成も難しくなってきているのが現状です。

内的キャリアは、外的キャリアと対比されてよく使われますが、価値観・動機・想いや、そこから生み出される習慣や態度を表します。

内的キャリアは、履歴書や職務経歴書には直接記載できないものがほとんどであるため、キャリア形成を考えた時には、どうしても陰に隠れがちです。

しかし、自分自身がどうありたいか、自分の価値観はどんなものなのか、自分らしいキャリアはどんなものなのかをしっかり考えることは、非常に重要なことではないでしょうか。

以前のブログでも書きましたが、キャリア形成の出発点は、やはり現在地を知ることです。現在地の情報は多い方が良い。自分が持っている手段も、選択肢も多い中から選択した方がよりよい選択ができ、よい戦略を立てれるものです。



急激に変化し、複雑、曖昧なこの時代において、画一的な価値がないからこそ、自分自身の価値観に沿った選択を正解として進めていく方が、自分自身の正解として納得できるものになるのかもしれません。


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さて、そうはいっても、内的キャリアだけでは収入や自分のやりたい仕事につながっていかないのではないか、と考える人も多いと思います。

内的キャリアは、「価値観・動機・想いや、そこから生み出される習慣や態度」と説明をしました。人間は、自分の価値基準に合わせて、判断基準に合わせて行動をしますので、外的キャリアは、内的キャリアを出発点とした行動・言動・習慣や態度の集積と言えるでしょう。

中身の一番外側が、外見なのです。

外見だけを取り繕っても、メッキが剥げてしまうように、自分らしいキャリアを形成するには、内的キャリアをしっかりと意識して、上滑りしない、達成した時に自分が満足できるキャリアを構築していくことが重要であると考えています。

この変動が多い時代だからこそ、自分らしい、自分が満足できる内的キャリアを発掘し、それを外的キャリアに結び付けていくことが重要になります。

その為に、オンライン相談でのキャリアコンサルティングをうまく活用していただければと思います。