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キャリアアップをしたいのに努力できないと感じた人へ

キャリアアップをしたいのに努力できないと感じた人へ

キャリアアップをしたいのに努力できないと感じた人へ

キャリアアップをしたい、今の職場でもっと評価をされたい、転職するために自分自身にもっとスキルを蓄えていきたいと思った時には、努力して何かを積み上げるという行動が必要になります。

それは男性でも女性でも同様だと思います。

しかし、いつも続かない、あるいは行動できない、と悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

自分自身には能力がない、と落ち込んでいらっしゃる方も多いでしょう。

今回は、そういった「努力できない」のはなぜか、ということについて、「脳機能」の観点から説明をしていきたいと思います。

1「努力できない脳」の6つの特徴

努力できる/できないというのは、一見「意欲の問題」であると理解されやすいものです。
当然と言えば当然ですし、意欲がある、ないから、その問題を解決したいという気持ちのあるなしまで判断されてしまうので、努力ができない人にとっては、努力によりスキルアップできないという問題と合わせて、苦痛のタネになってしまうのではないかと思います。

実は、この「努力できない」理由には、意欲ややる気、本気度だけではなく、「脳機能」の問題が絡んでいるのです。

そもそも、意欲ややる気、本気度が疑われてしまうのは、人間だれしも「努力ができる」ことが前提になっていることから始まっています。つまり、「努力ができない」ということは、そもそもその「努力すべきこと」が、「本気」でないから、頑張れない、というわけです。「本気」でやりたいことではない、あるいは、やる必要性がないから「努力できない」という本気度や意欲の問題である、ということです。

つまり、この前提を疑ってみる、という話になります。

① 脳における『島皮質』という領域の活発性

「島皮質(とうひしつ)」は大脳皮質の一領域です。その機能の1つに、「痛み」「精神的苦痛」「不快」などの感覚への注意喚起をしたり、その感覚を予期する、というものがあります。

生まれつき、島皮質の働きが活発な人は、「努力行為につきまとう色々な苦痛」を過剰に警戒したり、色々な苦痛をはっきりと予想して、その結果、努力行為に対するやる気が失われる傾向が強くあるということです。

また、損得勘定諮る機能があり、「努力の結果で得られる報酬の量よりも、努力につきまとう苦痛の方が明らかに大きい」と島皮質が判定を下すと、「こんなことを続けても意味が無い」「もうやめよう」というタイプの気持ちがわきあがってくるそうです。

つまり、この機能は昨今よく話題になる「コスパ」「タイパ」を判断しているということになります。

② 左線条体が不活発化

線条体は、運動機能への関与以外に、意志決定にも関与していると考えられています。

例えば、線条体は「この努力を行うと、あの魅力的な報酬を得られる」という脳の報酬予測機能に関与するということです。

つまり、「努力できない脳」では、線条体が不活発で、そのせいで「努力によって得られる報酬の価値・重要さ・報酬を得ることの必要性」などを上手くイメージできず、その結果として努力ができないという状態になってしまう、ということである。

逆を返せば、努力をできるということは、努力した結果をイメージできているということになる。

③ 前頭前皮質腹内側部が不活発化

前頭前皮質腹内側部は、脳の前頭葉の前側にある「前頭前皮質」の領域の一部で、「情動」「動機付け」などから成る意志決定に関わっています。

前頭前皮質腹内側部は、「努力行為を開始する前に、努力によって得られると期待される報酬・メリットを計算する処理」をしていることが研究で判明しています。

このあたりの機能については②と同様ですが、「努力できない脳」では、前頭前皮質腹内側部の活動が不活発であることで、努力行為によって得られると期待できる報酬・メリットのイメージ・認識が上手くできずに、その結果として努力ができないという状態になっている。

④ 神経伝達物質・ドーパミンの分泌量が少ない

ドーパミンは「意識の覚醒」「やる気や意欲や集中力の増進」「ドキドキワクワク感を覚える」などの効果をもたらし、努力できない人は脳内でのドーパミンの分泌量が生まれつき少ない可能性が高いと言われています。

ドーパミンの分泌量はもともと、その人その人によって個人差があります。

ドーパミンの多い・少ないは他のいろいろな疾患に関与しています。代表的な疾患にパーキンソン病があります。パーキンソン病の症状に、うつ・不安などの症状、アパシー(身の回りのことへの関心がうすれてしまったり、 顔を洗う、 着替える、といったことをする気力がなくなったりする状態)などがあることを考えると、ドーパミンの不足が「やる気」の有無に関与してくることはイメージしやすいかと思います。

⑤ ADHDを抱えている可能性

発達障害のひとつである注意欠陥・多動性障害(ADHD)の方の脳では、神経細胞間のドーパミンが、細胞表面にあるトランスポーターに過剰に再吸収され、そのせいで神経細胞間でのドーパミン濃度がいちじるしく低下すると言われています。

ドーパミンの働きについては④と同様です。

さらに、ADHDの主要な症状である「興味・関心の対象がめまぐるしく移り変わること」のせいで、努力行為に集中することが極めて困難になります。

そして、ADHDを抱えている人の脳では、脳の報酬系に障害があることがすでに確認されています。そのせいで、「時間がかかる代わりに大きな報酬を得られること」を嫌い、「時間がほとんどかからない代わりに小さな報酬しか得られないこと」を優先してしまうせいで、大きな報酬を得るための先行投資としての努力行為が困難になるのです。

実はこういった傾向は人間がだれしも持っていて、直近の利益と先々の利益だと、直近の利益を大きく見積もる傾向があるのです。ダイエットし、理想のスタイルに近づきたいのに甘いものに手が伸びてしまうというのも、この認知の仕方が影響しているのです。

⑥ 幼少時に、両親の教育が不適切だった場合

最後の項目になりますが、子どもが幼少期に、両親が育児放棄をしたり、不適切な教育をほどこすと、その子どもは努力が困難な性格に育つ場合があるそうです。

両親から「十分な愛情」「子どもの性格・考え・行動を肯定されること」を受けないと、「自分の行動はきっと上手く行く」という物事全般に対する基礎的な信頼感が上手く形成されず、そのせいで成長後に努力行為ができないようになってしまうということです。

もしも両親が「育児放棄」「子どもの性格・考え・行動を否定し続けること」をすると、将来的に子どもは「境界性人格障害のような人格障害を発症する」「ニートやひきこもりになる」など、努力できないどころではない悲惨な事態になる可能性が高いと言われています。

2 大きな「努力できる脳」と「努力できない脳」の違い

努力できる脳は線条体や前頭前皮質腹内側部の活動が活発で、逆に努力できない脳では、それら2つが不活性で、島皮質の活発さがあるということになります。また、努力できない脳は、ドーパミンの濃度の影響や、併存する脳機能の特徴や養育環境の影響を受けていると考えられています。

「そんな努力はやるだけ無駄」「そんな努力はコストパフォーマンスが悪い」

という斜に構えた意見・考え方は、よく見られます。

脳における「島皮質」が活性化していることで発生する意見・考え方です。能力があるのに、選択としてそれをしない、ということであればまだよいのですが、そうでないのであれば、本人にとって不利益である可能性が高いのではないかと思います。

そういった意識にとらわれることは、努力するうえで最も危険な状況であると言えるでしょう。

大事なこととしては、「やるだけ無駄」「割に合わない」といった考え方できるだけ距離を取り、それと同時に、「努力行為をした結果、得られるであろう報酬」に意識を向けることがあげられます。

暗記が苦手な人は、その弱点をどう補うでしょうか。
・何度も繰り返す
・耳で聞いたり、文字で書いたりして自分ができるだけ覚えやすい形にして覚える
・暗記でなく、理屈をしっかり把握して流れで理解する
といった対処するようにしているのではないでしょうか。

それと同様に、「努力ができない脳」であるかもしれないということが把握できれば、克服できるような工夫が必要ですし、逆に工夫がうまくいけば、十分にこれから努力していくことが可能です。
・自分の目標としていることを達成している人に、どうやって達成したか聞く
・目標を1日2日で出来るようなレベルまでチャンクダウンする

そうやって少しずつ、小さい努力を重ねているうちに、「努力の仕方」をマスターできるかもしれませんね。

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