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忙しい現場でも女性がキャリアアップしていける方法とは?

忙しい現場でも女性がキャリアアップしていける方法とは?

忙しい現場でも女性がキャリアアップしていける方法とは?

仕事中は忙しくて、なかなか自分以外の人の予定を確保できず、なんとなく、周囲とのコミュニケーションが希薄になりやすい……ということはよくあると思います。

しかし、キャリアを形成していく中では、忙しい現場でも結果を残していく必要性はあり、その過程の中では、周囲の人とコミュニケーションをとることは重要な要素になってくるでしょう。

でも、忙しそうな上司に相談を持ちかけるとき、どう声をかけたらいいのか、めんどくさそうにされたら……邪魔になって怒られてしまったらどうしよう……と思う方は多いはずです。

人事評価「トップ5%」社員のデータを収集・分析したクロスリバー代表の越川慎司さんはトップ5%人材になる人は「1分だけいいですか?」とは言わないと著作の中で述べられています。

トップ5%に入ろうと思っているわけではないけど……という方も、内容が気になるのではないでしょうか。

私自身がこの本を読んで非常に興味深く、参考になったので、是非ご紹介したいと思い、今回は、焦点を当てて話をしていきたいと思います。

1 リモートワークだと意思疎通ができない、は本当か

コロナ禍でリモートワークが広く導入されたことで、世界の様相は大きく様変わりしました。

昨今話題になっているのは、リモートワークで意思疎通がうまくいかなくなった、というケースです。あるいは、そのため業務に支障が生じ、生産性が低下した、というようなケースです。

リモートワークなんて、だらけてしまうんじゃないの?なんて上司が疑っている、なんていうのもよく聞く話でした。

一方、リモートワークの導入で業務上の無駄を省き、生産性向上を実現しているチームもあります。

そうなると、リモートワークがうまくいくかどうかは、リモートワーク自体以外にも何か別の要因があるのかもしれません。

そこで、クロスリバー社が800社17万人の調査をしたところ、意外な結果が明らかになりました。

「リモートワークではコミュニケーションがうまく取れない」のではなく、そのようなチームは、「そもそもみんなが出社して仕事をしていた時からコミュニケーションがうまく取れていなかった」、というのです。

2 「今ちょっといいですか?」が言えるチームは強い

リモートワークでも出社しても成果を出し続けるチームは、うまくいっていないチームに比べて社内会議時間が24%、資料作成時間は25%少ないことが報告されています。

メンバーの欠勤は、うまくいっているチームのほうが31%少なく、離職率も18%低いことが分かりました。

アブセンティーズムが低く、離職率が低いことは、健康経営という意味でももちろんいいですし、コストの面でも大きく有利になるでしょう。

会議を減らして会話を増やし、悩みや喜びを共有できる状態、すなわち、「心理的安全性」があるチームは短い時間で成果を出すことができる、ということです。

これは、Googleのチームが報告したいことで、一躍関心をかった言葉であると思います。

チャット履歴分析によると、うまくいっているチームは「今ちょっといいですか?」というフレーズを非常に多く使っていることが判明したそうです。

一般的なチームの実に4倍以上だそうです。

メンバー同士で協力関係が成り立っているからこそ、気楽に尋ねることができるのでしょう。

しかし、話はここで終わりません。

調査を進めたところ、さらに興味深いことが分かったそうです。

「心理的安全性」が高く、何でも言い合えるチームに所属していた仕事ができる社員は、若い頃、あえて「今ちょっといいですか?」や「1分だけいいですか」といった声かけをしないようにしていた、という報告です。

これはさっきの「ちょっといいですか?」という問いかけに反していますよね。

詳しく話を聞いたところ、こういった方たちは、相手を気遣い、相手の都合や喜怒哀楽の変化をうかがいながら、声をかけるタイミングを計っているようです。つまり、声掛け自分は頼っていなかったということです。

2 過剰な気遣いのマイナス面

日本人は気遣いをすることや、あるいは配慮が張り巡らせられていることを当然のように思っている部分があります。

一般的に、過剰な気遣いは、チームワークに支障を来すことも調査で分かっているようです。

過剰な気遣いがあると社内会議が増え、会議のための会議が開催されることになりがちだからです。後で「聴いていない」と言われないために、という要因もありそうです。

上司に気遣いすると作成する資料ページも増えます。重要そうな情報を集めて必要そうなページを作っても、実は上司はまったく必要としていないケースは、クライアント企業でも多々起きていることです。

そして、重要「そうな」資料は2割しか使われません。調査の結果、上司と部下との認識ギャップが不要な作業時間を生み、「残業沼」にハマる一因となっていることが判明しています。

特に、日本のように新卒から一斉スタートして、熾烈な昇進レースをする文化を持つ国では、ある種、当たり前の帰結かもしれません。少しでもぬけがないように、少しでも完璧で評価されるものを、これもあれも重要かもしれない……という思考回路ですね。

にもかかわらず、5%社員は、あえて気遣いをすることを選択しているのです。

何故でしょう?

3 「1分だけいいですか?」が1分で終わる可能性は1%未満

そもそも「1分間だけ(話しても)いいですか?」と声をかけても、話が1分で終わることはまずありません。

恥ずかしながら、私も、自分自身がアポ取りをして、その時間だけで終わったことは実はないかもしれません。なんだかんだ、その後に質問や議論があって、時間をオーバーするということはよくあったように思います。

会議や打ち合わせの時間をセッティングするほどではない内容だから、忙しい相手に「1分だけ」という表現になるのでしょう。また、相談を持ちかける側にも「『1分だけ』と言えば、相手は忙しくても手を止めて話を聞いてくれるはず」という目論見があるわけです。

しかし、1分どころか、10分経っても20分経っても話が終わらなければ、相手の「信頼」を損ねることにもなってしまうかもしれません。

出来る社員は、「信頼」を得ることを20代のトッププライオリティに置きます。

20代で「信頼」を得て、30代以降に「一緒にやらないか?」と重要なプロジェクトなどに抜擢ばってきされることを狙っているのです。

「信頼」を積み重ねなければならない時期に、かえって相手の信頼を損ねるようなことをしない戦略をとっていたということなのでしょう。

4 期待値コントロールをする

それでは、できる社員は20代の頃にどうやって上司との認識ギャップを埋めて、相手から「信頼」を得ていたのでしょうか。

共通点は2つあったそうです。

期待値コントロール

これは、上司が心の中で設定している、「相手はこういう行動をしてくれるだろう」「その結果、このような成果が出るだろう」などという“期待”を、適切なものになるようにうまく調整することです。

上司というものは不意に時間を奪われることを嫌がります。管理職はこなすべき業務が多く、文字通り分刻みで動いていることもあるからです。こういったことをネガティブ・サプライズとも言います。

前触れもなく突然話しかけると、「信頼」を得るどころか不快に思われて、「面倒くさい新人」などと認識されるリスクがあるわけです。

そこでできる社員は共通して、20代の頃から事前にうまく予告をすることで、上司の期待値をコントロールしていました。

たとえば、出張報告書の作成を課長から指示された時、進捗20%程度で、一度チェックしてもらえないでしょうかと、その場で上司の許可をもらうそうです。こうすることにより上司との認識ギャップを埋め、期待値を把握しながらそれを超えるように行動します。

期日いっぱいを使って、完璧に仕上げようとしないということです。

あるいは、難しい顧客対応を上司から任された時は、「クレーム対応の際は、炎上しないように早めに声をかけさせてください」などとあらかじめ断るようにしているとのことです。

そして、顧客と実際にやりとりをして、リスクが現実のものとなりそうな気配になったら、速やかに「謝罪訪問になりそうな例の案件の対処について、ご相談してもよろしいでしょうか」と上司に声かけをします。

必要があれば、上司に声をかけて助けを求めることは業務上当然のことです。

しかし、それが「不意打ち」かつ「期待値を下回る結果」にならないように、あらかじめ上司と上手に状況や条件を共有し、すり合わせていっているのです。

このようにして、上司の期待値を良い意味でコントロールすることで、仕事ができる人間だ、と認められるといいます。

一言目の工夫

上司は忙しいということを前提に、「何のために何をすべきなのか」を端的に伝えるようにしています。

どんな目的から、上司にはどのように行動してほしいのか、「相手に求めるアクション」を最初の10秒で伝えるというものです。

たとえば、「10億円の商談のA社への見積もりについて、3つの案のうち1つ選んでいただきたいのですが」などと伝えて、上司と相談する時間をしっかり確保します。

また、重要な情報だけに絞り、相手に求める行動を先に伝えてるだけにとどまらず、回答を絞ることもしていたそうです。

それは、上司に尋ねる、その尋ねかたを自由に答えられるオープン・クエスチョンではなく、選択肢を複数提示し、その中から上司に選ばせるクローズド・クエスチョンにする、といったようなことです。

そこに自分の見解も添えて、自分でもしっかりと調査・検討したうえで相談していることを上司に伝えているということでした。

そのように聞けば、たとえ忙しい相手であっても、「これならすぐ答えられそうだ」「情報・条件が整っているから、自分は判断だけすればよい」と考えて、さっと時間を割いてもらえるのです。

いかがでしたでしょうか。できる社員になる、と言われると難しいかもしれませんが、この本で紹介されていることは、実践しやすいものであると思います。

私自身も、病院勤務時代は、全てではありませんが、実践していた内容がありました。

確かに、そう行うことで上司の信頼を得られていたようにも思っています。少しずつでよいので、皆さんも実践していてはいかがでしょうか?

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