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新卒生向けキャリア形成イベントに登壇しました‐求人票の見方と志望動機の定め方‐

新卒生向けキャリア形成イベントに登壇しました‐求人票の見方と志望動機の定め方‐

新卒生向けキャリア形成イベントに登壇しました‐求人票の見方と志望動機の定め方‐

先日、とある企業からの依頼で、新卒生向けのキャリア形成イベントに登壇してきました。

医療系の大学・専門学校等では、キャリアセンター等が整備されておらず、求人票等の見方や、考え方、キャリア形成について継続的に考え、就職活動等に活かしていくという過程を経ることができないことがあります。

医療系の養成課程では、資格取得のための勉強や実習が多く、その中で倫理的な教育等も行われていますが、その人個人のキャリアに焦点を絞った授業等はなく、看護学校であれば「看護師資格を取ること」「看護師として働くこと」が目標化され、その人個人がどんな人になりたいのか、どんなことを成し遂げたいのか、について語られる機会があまりありません。

SNSでは、キラキラした投稿が多いこともあり、劣等感を感じたり、自分自身には何もないといったような感覚を持つ人も多いでしょう。

そうすると、どうしても自分自身が何をしたいのか、どうなりたいのか、言語化する機会が失われてしまいます。

今回は、新卒生向けのキャリア形成イベントの報告を兼ねて、志望動機の定め方について考えていきたいと思います。

医療現場での就職におけるミスマッチをなくしたい

今回は、医療現場での就職におけるミスマッチをなくしたいという想いで、マッチングサービスを開始した企業様からの依頼でイベントに登壇をしました。

昨今、医療業界では若い人達が就職先を選んで就職しても、短期間で離職に至ってしまうということが多くあります。短い方では3か月と、1年以内の離職も少なくないのです。

その多くに、思い描いていた自分の働き方や役割、職場との相性といったものが影響しています。

医療系の養成校(大学や専門学校)は、単科であることも多く、総合大学等にあるキャリアセンターなどを整備できていない場合があります。その為、自分のキャリアをどのように形成していったらよいのか、そのためにどんなことを考えたらよいのか、就職先はどうやって選んでいったらよいのか、といったようなことが判らないままになっている方も多くいらっしゃいます。

漠然と、同期がこういった病院に就職するらしいから自分も、とか、逆に給与や待遇のみで選択をしてしまう、ということもあります。

しかし、そのような形でしっかり就職先を選べないと、早期の離職につながってしまい、本人、企業双方にとって良い結果にならないのです。

今回ご協力した事業は、そういったミスマッチをなくしたいという想いで立ち上げられており、専用ページでは、その企業の想いや理念を経営者等が自ら語り、求職者がそれを閲覧することが可能です。そうすることにより、理念に共感し、自分自身が良いと思える就職先に出会える確率を高めていくことができます。

今回のイベントでは、自分自身のキャリア形成時に必要な自分自身の目標の定め方や、そのための就職活動の開始の仕方などについてご紹介をしました。

本来であれば、自己を見つめるためのワークなどを行う方が良いのですが、現在は就職活動時期ということもあり、少しその先の実践的な内容に絞ってお話をしました。

就職活動時の情報収集の仕方

医療系の就職活動時には、どのような分野のどのような仕事につきたい、という自分の想いをまず明確化します。これは、一般企業でも同様かと思います。

医療系の場合は、資格があることが就職の条件になりますし、その業務内容については法律で規定されています。なので、「どのような分野」ということでは、例えば循環器なのか、整形外科なのか、脳卒中などの脳血管疾患なのか、などを選択することになります。また、「どのような仕事」というのは、「急性期の病棟で」「回復期の病棟で」「地域で」といったような働く施設・職場がどの病期にあたっているかを選択するといったようなことになるかと思います。

次に、自分自身の労働条件について考えます。全国どこでもよいのか、自宅から通えるところが良いのか、夜勤の有無や、通勤時間、給与や残業時間等を加味します。

その自分自身の基本的なラインを元に、まずは就職先を選定していきましょう。
~就職先選定のための情報収集項目一覧~
① 希望の領域や働き方(専門分野と病期の選択)
② 病院の理念、方針、力を入れている事業の方向性
③ 所在地及び通勤時間
④ 引っ越し等の可否
⑤ 給与(基本給とその他手当ては分けてチェック)
⑥ 休暇数や休暇の取り方(土日休みなのか、シフト制なのか)
⑦ 残業時間等についての情報
⑧ 院内での教育体制
⑨ 学術活動等について(HPに公表されている場合もあり、なければ検索エンジンでチェック)

これらは一例ですが、自分のキャリアを思い描きながら、情報を収集していき、一覧化します。一覧化することで、自分自身が言語化できていなかった感覚や気持ちなどがはっきりしてくることがあります。

例えば、「給与や残業の少なさが重要だと思っていたが、面白そうな事業や病院を見たら、自分の気持ちの中で給与や残業の少なさの優先順位が下がった」、「やりがいや専門性を追求したいと思っていたが、給与が低いと途端に魅力が半減する気がした」などです。

素直に思ったことを言語化し、メモをしながら、自分のキャリアのイメージを作っていきましょう。

よくある質問① 自分が何をやりたいかわからない

学生さんや、若い人によくある傾向ですが、自分自身が何をやりたいのか、はっきりしない場合は、どのような職場を選択したらよいのか、という質問があります。

学習したり、実習にいく中で、自分がやりたいことが徐々に見えてくる人もいれば、時間がかかったり、よいロールモデルに出会えずに、なかなかそれが難しいという人もいます。

就職活動までの期間に、自分がやりたいことをしっかり形作れていないと、就職先を選びなさいと言われると、何を基準に選んでよいのか具体的にならないということもあると思います。

これもとらえ方一つというところもあります。

自分が何をやりたいのかわからない、ということは、何をやりたくないのかもわからないということでもあると思います。

私が出会った多くの医療従事者のうち、いわゆる他者からみて「キラキラしているキャリア」を持っている人達には、「自分がやりたいと思っていたことは何一つできなかった」「流されるままにここまで来てしまった」という人が決して少なくありません。

そのような方には、もっとたくさんのチャレンジや、たくさんの刺激を与えてくれる人との出会いが期待できるような就職先を選択してください、とお伝えしたい。

自分が何をやりたいのかわからないということは、決してマイナスばかりでなく、今後何にでも挑戦できるということを表していますし、何事にもフラットな姿勢でいられるということでもあります。

よくある質問② 一つの施設で頑張った方が良いのか

また、こういった疑問も聞かれます。一つの施設で頑張った方が良いのか、それとも、キャリア形成をしていく中で、キャリアを積めるところにその時々で転職をしたらよいのか、という質問です。

これも、本当に様々です。

例えば、キャリア形成の目的地が、病院経営に携わりたいということであれば、昇格をしていかなかいといけません。その目標を達成するために必要なのは、医療における知識・技術だけでなく、コミュニケーションスキルやマネージメントスキルということでもあります。

その場合、早めに医療技術以外のことを経験できる施設が有利に働くことがあります。そうすると、同僚が100名もいるような巨大組織よりは、中規模以下の組織の方が良いということもありますし、その組織の風土が大きく絡んできます。

医療従事者の間では、ジェネラリストかスペシャリスト、どちらを選択するのかという話が良く出てきますが、基本的に組織の中での給与の序列としてはマネージャー>スペシャリストです。ジェネラリストかスペシャリストかどうかというよりは、マネージャーかどうかの方が給与や仕事の裁量に大きく影響します。

一方、スペシャリストの場合は外部の講演等に呼ばれることもあり、副業・副収入として大きく収入を得られるようになるケースもあります。トータルでは、自分の上司よりももらっているといった人もいるかもしれません。

つまり、選択するキャリアの方向性により、転職の必要度も変わってくるということになります。しかし、忘れてはいけないのが、社会人経験が長くなってくると、転職時にマネジメント経験を問われることは非常に多くなりますので、小さなプロジェクトでもよいので、マネジメント経験を積んでおくことは、自分の市場価値を高め、自分自身のキャリア形成の自由度を高めていくでしょう。

よくある質問③ 今後何が求められていくのか

この質問も非常に多く寄せられる質問です。

当然、就職の際には、今後成長していくところに就職していきたいという気持ちが沸き上がるのは当たり前のことだと思います。そういった社会情勢を読んでいく力も重要になると思います。

ざっくりと申し上げて、日本は超高齢社会、かつ多死社会になり、少子化はどんどん進んでいく人口オーナス期にあります。医療費は右肩上がりに上がり続ける時期がしばらく続きますが、それを支えるための財政状態は厳しくなっていくということもあります。

そして、そういった社会を支えるのは、少子化し、数が少なくなっていく一方の働く世代ですので、多くの人が労働に参加出来る状態を作っていかないといけないというのは全体的な流れになります。

その中で、医療従事者のライセンスを持っている人ができることは、非常に多いと思いませんか?

医療機関や施設の中だけではなく、疾病の発症を予防し、高齢化し動けなくなることを予防し、生産性をあげるための快適な環境を作っていくことは、医療従事者の知識・技術が実は生きるところでもあります。

医療費がかかる前の段階にしっかり取り組んで、知識・技術を発揮していくことは、今後非常に強く求められていくことなのではないでしょうか。

また、医療は日進月歩で非常に高度化し、進んでいきます。今まで治らなかった病気が治り、退院できなかった障害が退院できるように技術・支援策も進んでいきます。

自分が学校で習っている知識・技術は実は非常に多くの場所で役に立つ、という観点は非常に重要なのではないかと思います。

若い世代の方には、是非、固定観念に縛られない自由な働き方をしてほしいなと、思っています。

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