女性のキャリア形成に影を落とすポジティブ信仰のワナ
女性のキャリア形成を考える時、成功している人達の話を見聞きしながら自分のイメージを膨らませていくことがあるのではないでしょうか。
その中で、成功した人は、簡単にへこたれないポジティブ・シンキングをしていることに気が付く方も多いのではないでしょうか。
しかし、何につけても明るくポジティブという偏った状態は、却ってキャリアに支障をきたしてしまうこともありますので、注意が必要です。
このような行き過ぎたポジティブ思考は「ポリアンナ症候群」という心の病気であることもあるようです。 ここではポリアンナ症候群について、その特徴や対策等をわかりやすく解説していきましょう。
その中で、成功した人は、簡単にへこたれないポジティブ・シンキングをしていることに気が付く方も多いのではないでしょうか。
しかし、何につけても明るくポジティブという偏った状態は、却ってキャリアに支障をきたしてしまうこともありますので、注意が必要です。
このような行き過ぎたポジティブ思考は「ポリアンナ症候群」という心の病気であることもあるようです。 ここではポリアンナ症候群について、その特徴や対策等をわかりやすく解説していきましょう。
1. ポリアンナ症候群とは
ポリアンナ症候群の「ポリアンナ」とは、20世紀初頭に発表された小説の主人公ポリアンナが由来だと言われています。 ポリアンナは「親の死」という悲劇にあいながらも周囲の優しさという「良かったこと」に気づき、明るく健気に生きていきます。 このストーリー自体、あるいは主人公のポリアンナ自体に問題はありません。
しかし、「ネガティブな事態にあっても常にポジティブであろうとする」という特徴があることから、この疾患の名前として選ばれたようです。 実際のポリアンナ症候群の場合、内容は全く異なってきます。
社会的・環境的に大きな問題(ネガティブな問題)に直面していてもその問題を直視できず、明るい側面ばかりに目が行ってしまい満足してしまう--「ポリアンナ症候群」とは、そのような心の病気なのです。精神科領域では回避傾向が強い、などと言われることもあります。
例えば、仕事が全然うまくいかなくなった時、通常は落ち込んだりしつつ、自分自身が改善できるところを探したり、他者に助けてもらったりなどしながら何とか状況を改善していこうとすると思います。しかし、このポリアンナ症候群の特徴を持っている方は、「かえってこの会社に未練が無くなって良かった」とか「もっと自分には向いている仕事があって、それを天が教えてくれたんだ」などといって、問題を何も解決しようとすることなく、転職・退職を選んでしまったりします。
一時的にはそのポジティブさは「挫けずにポジティブにとらえてえらいね」と捉えられるかもしれません。 一方で、ポリアンナ症候群の人の場合、その「良い側面」で満足をしてしまい、「自分の改善点を探し、解決する」という問題解決に全く取り組まないのです。
受験や就職・試験等の失敗、失恋、降格等、人生には様々なネガティブな事態が起こるものであり、つきものであるとも言えるでしょう。 その時に悩むことが全く無いと、反省もしなければ、成長もしないということになります。 一見すると楽天的な姿勢は、現実逃避の現れなのかもしれません。
また、ポリアンナ症候群の人は、自分に対する「無根拠な自信」を持っていることがあります。 特に過去に運の良さや土壇場での集中力等で成功した体験があると、「次もきっと大丈夫」と考え、問題に対する対策を練ろうとしません。
また、親が「才能がある」「やればできる」と過度な賞賛を与え続けてきたことが影響し、実際と見合わない実力の見積もりをしているケースもあります。常に「何かが起こってから行動を起こせば良い」という状態になりがちなのです。
昨今話題になる「叱らない育児」の曲解も、こういったところにつながっていく可能性があります。
もう一つの特徴としては、常に現状よりも悪い状況を考え、「それよりは今の方が良い」と現状を肯定しようとしてしまうというのがあげられます。
例えば「今の会社は激務だけれど、盆と正月に休めない人よりはマシだ」と考えたりするわけです。 常に比較対象とする悪い状況を考え出しやすく、周囲の「自分より悪い状況にある(と思える)人」を無意識に探していることもあります。これも、結局自分自身や自分の周囲の問題を解決せずにそのままにしてしまうという点で、その他特徴と合わせて現実逃避癖が出てしまっている部分だと思われます。
しかし、「ネガティブな事態にあっても常にポジティブであろうとする」という特徴があることから、この疾患の名前として選ばれたようです。 実際のポリアンナ症候群の場合、内容は全く異なってきます。
社会的・環境的に大きな問題(ネガティブな問題)に直面していてもその問題を直視できず、明るい側面ばかりに目が行ってしまい満足してしまう--「ポリアンナ症候群」とは、そのような心の病気なのです。精神科領域では回避傾向が強い、などと言われることもあります。
例えば、仕事が全然うまくいかなくなった時、通常は落ち込んだりしつつ、自分自身が改善できるところを探したり、他者に助けてもらったりなどしながら何とか状況を改善していこうとすると思います。しかし、このポリアンナ症候群の特徴を持っている方は、「かえってこの会社に未練が無くなって良かった」とか「もっと自分には向いている仕事があって、それを天が教えてくれたんだ」などといって、問題を何も解決しようとすることなく、転職・退職を選んでしまったりします。
一時的にはそのポジティブさは「挫けずにポジティブにとらえてえらいね」と捉えられるかもしれません。 一方で、ポリアンナ症候群の人の場合、その「良い側面」で満足をしてしまい、「自分の改善点を探し、解決する」という問題解決に全く取り組まないのです。
受験や就職・試験等の失敗、失恋、降格等、人生には様々なネガティブな事態が起こるものであり、つきものであるとも言えるでしょう。 その時に悩むことが全く無いと、反省もしなければ、成長もしないということになります。 一見すると楽天的な姿勢は、現実逃避の現れなのかもしれません。
また、ポリアンナ症候群の人は、自分に対する「無根拠な自信」を持っていることがあります。 特に過去に運の良さや土壇場での集中力等で成功した体験があると、「次もきっと大丈夫」と考え、問題に対する対策を練ろうとしません。
また、親が「才能がある」「やればできる」と過度な賞賛を与え続けてきたことが影響し、実際と見合わない実力の見積もりをしているケースもあります。常に「何かが起こってから行動を起こせば良い」という状態になりがちなのです。
昨今話題になる「叱らない育児」の曲解も、こういったところにつながっていく可能性があります。
もう一つの特徴としては、常に現状よりも悪い状況を考え、「それよりは今の方が良い」と現状を肯定しようとしてしまうというのがあげられます。
例えば「今の会社は激務だけれど、盆と正月に休めない人よりはマシだ」と考えたりするわけです。 常に比較対象とする悪い状況を考え出しやすく、周囲の「自分より悪い状況にある(と思える)人」を無意識に探していることもあります。これも、結局自分自身や自分の周囲の問題を解決せずにそのままにしてしまうという点で、その他特徴と合わせて現実逃避癖が出てしまっている部分だと思われます。
2 ポリアンナ症候群から脱却していくには
第一に、自分を客観視することから始めてみることが必要です。
一所懸命に頑張ってきた、前向きに取り組んできたという「経過」にばかり囚われず、どれだけ「結果」を出してきたかを考えてみることも大切です。
その上で、自分自身の解決すべき問題や課題、得意なこと、不得意なこと、など自己理解をしていく必要性があります。
もう一つは、「ポジティブ=良いことだらけ」という考えを捨てることです。ポリアンナ症候群の人は、いつも明るく前向きでいる自分を「善である」と捉えています。 しかし実際には、人は悩み苦しみながら成長をして進んでいくもの。 「ポジティブだし、悩んでいないのだから良い」という考えを、まず一旦捨てましょう。
最後に、現状の課題・問題を書き出し、その問題に対する「対策行動」を考えてみましょう。
問題解決に対する行動を思いつくには、多少時間がかかるかもしれませんし、これには苦痛を伴うことがあります。何故なら、いままでその困難に立ち向かってこなかったからです。
しかし、悩み、苦しむことを回避せず、正面から問題に取り組んでみることが大切です。今まで回避してきたことで身に着けられなかった知識・技術が必ずあり、それを身に着けていくことで自分自身の能力を伸ばすことができるでしょう。
一所懸命に頑張ってきた、前向きに取り組んできたという「経過」にばかり囚われず、どれだけ「結果」を出してきたかを考えてみることも大切です。
その上で、自分自身の解決すべき問題や課題、得意なこと、不得意なこと、など自己理解をしていく必要性があります。
もう一つは、「ポジティブ=良いことだらけ」という考えを捨てることです。ポリアンナ症候群の人は、いつも明るく前向きでいる自分を「善である」と捉えています。 しかし実際には、人は悩み苦しみながら成長をして進んでいくもの。 「ポジティブだし、悩んでいないのだから良い」という考えを、まず一旦捨てましょう。
最後に、現状の課題・問題を書き出し、その問題に対する「対策行動」を考えてみましょう。
問題解決に対する行動を思いつくには、多少時間がかかるかもしれませんし、これには苦痛を伴うことがあります。何故なら、いままでその困難に立ち向かってこなかったからです。
しかし、悩み、苦しむことを回避せず、正面から問題に取り組んでみることが大切です。今まで回避してきたことで身に着けられなかった知識・技術が必ずあり、それを身に着けていくことで自分自身の能力を伸ばすことができるでしょう。