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女性管理職としてのキャリア形成についてのジレンマ

女性管理職としてのキャリア形成についてのジレンマ

女性管理職としてのキャリア形成についてのジレンマ

女性がキャリア形成をしていく中で、一つの選択肢として入ってくるのが管理職、マネージャーに昇格することがあると思います。

日本に女性管理職が少ないことは周知の事実かと思いますが、概ね15%を切っているのが現状です。目標は30%ですから、まだまだ遠い目標ということになるでしょう。

何故、女性管理職が少ないのか、管理職はそんなに魅力のないキャリアなのか?について今回は触れてみたいと思います。

1 管理職の魅力とは?

管理職の魅力の一つは、その仕事の自由度、裁量権の多さです。

管理職は責任の重さなどに焦点が当たり、ストレスの大きい仕事として認識されやすいと思いますが、自由度や裁量権の多さは、一般職員の比ではなく、自分自身で仕事を組み立てられる良さがあります。

その為、言われたことをやるのではなく、自分のペースを一定程度守った上で仕事ができます。

また、高い権限を持てれば持てるほど、自分が良いと思う組織作りも可能となりますので、今現在できないことができるようになります。なので、「職員がもっと働きやすい職場にしたい!」なんて希望も、叶えることができるようになるかもしれません。

私自身も管理職をしていますが、持たされている権限にもよると思いますが、権限の範囲内であれば、マネジメントの方向性等についても自身で調整することができるため、自分が「こういう組織だったら働きやすい」「こういう組織だったら、やりがいが持てる」といった形で想定した理想の組織づくりを目指して働くことは、非常に自分自身のやりがいにもつながっている実感があります。

次に、給与面です。給与面では、昇格することで昇給もしていくことが一般的です。以前、名ばかり管理職なんて言葉があったように、一部例外もあると思いますが、基本的にはマネジメントをする役割を持つことは、昇給とセットになっています。

一方で、一定程度の年齢になってくると、マネジメント経験があるかどうかは、転職時に大きくみられるポイントになってきます。年齢が高くなるほど、転職市場ではマネジメントができるポジションでの募集が多くなりますので、経験をしているだけで、その後の自分のキャリアの選択肢を増やすことができます。

2 管理職の欠点とは?

では欠点とはどのようなものがあるでしょうか。

一つは、責任の重さにあります。管理職は一つの職場の部署等を任されるわけですので、想い責任を背負うことになります。成功も失敗も責任を負うことになりますので、職員の数だけハイリスク・ハイリターンになっていきます。

また、不測の事態に陥った時の対応についても、逃げることができませんし、場合により矢面にたって対応する必要性がありますので、その点についても、自分自身の予定や気持ちなどはお構いなしにやってきます。

また、理想の管理職像と、自分とのギャップに悩む方もいらっしゃいます。よくも悪くも、自分自身の上司の影響を受けますので、同じようにやらないといけないのでは、とか、あるいは別のやり方をして独自性を出さなくては、などといったことに心理的に縛られてしまって苦しむケースがあります。

一般職員だった頃のコミュニティと離れてしまうことがあることで、孤立感を深める方もいらっしゃいます。元々は同僚だったのに、上司になった途端にお互いに立場の違いが出てきてしまいますから、致し方ない部分もありますが、特に昇格したばかりの時には、業務自体に慣れていないこともあるため、孤立感につながる方も多いようです。

そういったマイナス点があると、お給料が高かったとしても、帳消しになるような気分になることもあるかもしれません。

3 女性管理職のジレンマとは?

さて、ここまで利点と欠点についてお話をしてきましたが、こと女性管理職ということになると、大きなジレンマがあると言われています。

現在立教大学で教鞭をとられている中原先生の著書(女性の視点で見直す人材育成――だれもが働きやすい「最高の職場」をつくる | 中原 淳, トーマツ イノベーション |本 | 通販 | Amazon)では、女性管理職にはジレンマがあり、女性らしく優しく寄り添った対応を取っていればリーダーシップがないと言われ、リーダーシップをとれば、寛容でないなどと言われ、男性管理職のリーダーシップに慣れた組織の中では、性別役割分業に似た構造によりジレンマが生じていると述べられています。

これは、部下の立場等も含めて、覚えがある方がいらっしゃるのではないでしょうか。

リーダーシップ自体が非常に男性的な要素を持ったイメージを持たれやすいため生じるものなのだと思われます。女性管理職比率15%以下が示すものとして、85%は男性ですので、日本でそのようなイメージがもたれても致し方ないのかもしれません。

これは、純粋な利点欠点以上に、個人で解決できない問題であり、すぐに解消できるものでもないかもしれませんが、そういったジレンマがあり、利点欠点があるということを知っているだけでも、キャリア形成について考えるきっかけになるかもしれません。

マネージャーになってみないかと言われた時に、自分自身の理想とするリーダーシップってどんなものなのか、自分自身は今までどうやってリーダーを見てきたのか、あるいは、どんなマネジメントをされたかったのか。

自分自身の価値観について考えるきっかけになるかもしれません。

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