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女性のキャリア形成は全国均一?

女性のキャリア形成は全国均一?

女性のキャリア形成は全国均一?

女性のキャリア形成については、徐々に社会的な関心が高まってきています。
しかしコロナ禍の影響などもあり、その環境はまだまだ改善の余地があると言われています。

今回は、女性の就業率に焦点を置き、キャリア形成の全国的な動向・状態について紹介したいと思います。

1 都道府県別の女性の就業率の特徴

日本の都道府県別の女性の就業率には、以下のような特徴があります。

1)都市部と地方部

都市部と地方部での差異がある:都市部の女性の就業率は高く、特に東京都や神奈川県、大阪府などの大都市圏では高い就業率が見られます。一方、地方部では就業率が低く、北海道や沖縄県などでは全国平均よりも低い水準となっています。

それには、いくつか要因があります。一般的に考えられる点についてご紹介したいと思います。

>少子高齢化
地方では人口減少が進んでいることが多く、少子高齢化が進んでいます。子供や高齢者の介護を担う女性が多いことから、就業率が低くなっていると考えられます。

>都市部との格差
都市部に比べて地方には、求人数が少なかったり、職種が限られていたりすることがあります。また、大手企業やグローバル企業が進出していない地域も多く、企業間の競争が少ないため、女性の就業機会が少なくなっていると考えられます。

>家庭の役割意識
地方では、家庭や家族を大切にする文化が根強く残っていることがあります。そのため、女性が結婚や出産を機に専業主婦になるケースが多く、就業率が低下していると考えられます。

>インフラストラクチャーの不足
地方では、都市部と比べて公共交通機関の整備が不十分な場合があります。そのため、通勤手段が限られ、就業機会が制限されることがあるため、就業率が低くなると考えられます。

これらの要因が複合的に作用して、地方では女性の就業率が低い傾向があります。しかし、働きやすい環境を整備したり、育児や介護の支援制度を充実させたりすることで、女性が働きやすい環境を整備することができ、就業率の向上に繋がる可能性があります。

2)教育水準

教育水準との関係性がある:教育水準が高い都道府県では就業率も高く、逆に教育水準が低い都道府県では就業率も低くなる傾向があります。

しかし、教育水準が低いと言われている地域でも、各々工夫をして向上に取り組んでいます。

例えば、女性の就業率を高めるためにも、これらの取り組みが重要な役割を果たしています。

また、教育熱心な保護者を支援するために、子どもたちの学習支援を行う学習センターや学習塾を設置する自治体があります。また、学校においては、学力向上を目指した授業の改善や、教員の研修などが行われています。

さらに、大学や専門学校の進学支援も行われています。これらの取り組みにより、教育水準の向上が期待されています。

女性の就業率を高めるためには、教育水準の向上が必要不可欠です。教育水準が低い自治体においても、教育に対する投資や支援を継続して行うことで、女性の就業率の向上につながると考えられます。また、教育による社会全体の活性化が期待されるため、教育水準の向上は自治体の発展にとっても重要な課題となっています。

3)産業構造

産業構造によって異なる:産業構造によっても就業率に差異があります。例えば、福岡県や愛知県では製造業が盛んであり、女性の就業率も高い傾向があります。一方、観光業や農業が主要産業となっている県では就業率が低い傾向が見られます。

観光業や農業が主要産業となっている県において、女性の就業率が低い傾向がある理由には以下のような要因が考えられます。

>働き方の制約
観光業や農業は季節労働が多く、需要に応じて繁忙期があることが多いため、一定の時間や期間を働くことができない場合があります。また、遠隔地での作業や不規則な勤務時間、長時間の労働が必要な場合もあるため、子育てをしている女性には就業が難しい環境があることが挙げられます。

>雇用の不安定性
季節労働が多いため、雇用形態が非正規雇用やパートタイム雇用が多いことがあります。そのため、社会保障や福利厚生、給与などの面で不利になることがあり、長期的に働くことができず、生活に不安定感を抱える場合があります。

>地域性や文化的な要因
観光業や農業が盛んな地域は、地域性や文化的な要因によって女性が家事や育児を優先するという考え方が強い場合があります。また、女性が職場に出ることに対して、地域社会からの支援や理解が得られず、就業意欲を失う場合があります。

これらの要因が重なり、女性の就業率が低くなっている傾向があります。しかし、地域の特性に合わせた働き方改革や育児支援策を行うことで、女性がより働きやすい環境を整備することができ、地域の活性化にも繋がる可能性があります。

4)子育て支援

子育て支援の取り組みが就業率に影響を与える:子育て支援が整備されている都道府県では、女性の就業率が高くなる傾向があります。例えば、東京都では育児休業制度や保育園の整備が進んでおり、女性の就業率が全国平均を上回っています。

詳細は後述します。

5)年代別

年代別での差異がある:年代別で見ると、20代の女性は比較的高い就業率を示す一方、30代以降の女性は結婚・出産・育児などの理由から就業率が低くなる傾向が見られます。ただし、近年では育児休業制度の拡充や、男性の育児参加促進などにより、子育てと仕事の両立がしやすくなりつつあるため、30代以降の女性の就業率が上がる可能性もあります。

2 子育て支援に熱心で、女性の就業率が高い地域はある?

では、子育て支援に熱心で女性の就業率が高くなっている自治体について、少しご紹介したいと思います。

1)東京都世田谷区

まず、保育所の整備に力を入れており、保育所に入所している子どもの割合が全国平均を大幅に上回っています。さらに、平成28年度からは、保育所等の施設整備に関する重点支援金を活用し、保育園の増設や新設を積極的に進めています。これにより、待機児童数の削減や、保育園の入所希望者全員に対する受け入れが可能となり、女性の就業率の向上につながっています。

また、子育てに関する相談や支援サービスも充実しており、育児サロンや子育てサークル、子育て支援センターなどを運営しています。これらの施設では、子育てに関する悩みや相談に応じるとともに、情報提供やイベントなどを通じて、地域の子育て支援を行っています。

さらに、女性の就業率向上に向けた取り組みとして、女性のキャリアアップ支援にも力を入れています。具体的には、女性起業家支援センターの運営や、女性のキャリアアップに必要なスキルアップ講座の開催、育児と仕事を両立するための相談窓口の設置などが行われています。

これらの取り組みにより、東京都世田谷区は女性の就業率が高い地域の一つとなっています。

2)神奈川県川崎市

まず、保育所の整備に力を入れています。保育所の増設や新設に取り組むとともに、待機児童対策にも力を入れています。待機児童がいない状態を目指して、保育所の設置場所の拡大や、定員の増加を行っています。

また、子育て支援のための施設も整備されています。例えば、子育て支援センターや子育て支援拠点施設などがあり、子育ての情報提供や相談に応じることができます。さらに、育児休業の取得促進や、職場復帰後の勤務条件改善なども行っています。

女性の就業率向上に向けては、川崎市女性活躍推進センターを設置しています。このセンターでは、女性のキャリアアップ支援を行うための各種講座やセミナーを開催しており、女性が自己実現を追求しながら働ける環境づくりに取り組んでいます。また、子育てと仕事の両立をサポートするために、育児と仕事のバランスを考えた勤務形態の選択肢を提供しています。

さらに、男性の育児参加の促進にも力を入れています。男性が育児に積極的に参加することで、女性が仕事と育児の両立をしやすくなり、女性の就業率が向上することが期待されます。川崎市では、男性向けの育児講座や、育児休業の取得促進などを行っています。

以上のように、川崎市では、保育所の整備や子育て支援、女性のキャリアアップ支援、男性の育児参加促進など、様々な取り組みを行っています。これらの取り組みにより、女性の就業率向上が進んでいるといえます。

3)北海道札幌市

まず、保育所の整備に力を入れています。保育所の新設や増設、定員の拡大などを進めており、待機児童の解消に取り組んでいます。また、子育て支援拠点施設や子育てサロンの整備、子育て支援員の配置なども行っています。

また、育児休業の取得促進に力を入れています。札幌市では、育児休業を取得するための相談窓口を設けており、育児休業取得後の職場復帰に向けた支援も行っています。また、男性の育児休業取得を奨励するため、育児休業期間中の給与の一部を補助する制度を設けています。

そして、子育てと仕事の両立支援にも力を入れています。札幌市では、時短勤務制度の拡充や在宅勤務の導入など、柔軟な働き方の選択肢を増やすことで、子育てと仕事の両立を支援しています。また、女性がキャリアアップできるよう、女性管理職の登用促進や女性活躍推進室の設置なども行っています。

さらに、男性の育児参加の促進にも力を入れています。札幌市では、父親向けの育児講座や、育児休業の取得促進などを行っています。男性が育児に積極的に参加することで、女性が仕事と育児の両立をしやすくなり、女性の就業率が向上することが期待されます。

以上のように、札幌市では、保育所の整備や子育て支援、育児休業の取得促進、柔軟な働き方の選択肢の拡充、女性管理職の登用促進、男性の育児参加促進など、様々な取り組みを行っています。これらの取り組みにより、女性の就業率向上が進ん
また、北海道札幌市や福岡市なども、子育て支援施策を充実させることで女性の就業率の向上に取り組んでおり、実際に就業率が上昇している自治体の一つとして挙げられます。

4)福岡県福岡市

まず、保育所の整備に力を入れています。市内にある全ての公立保育所において、2020年度から一定時間の延長保育を実施しており、保護者が仕事を続けることを支援しています。また、待機児童対策として、新規保育施設の建設や既存施設の拡充なども進めています。

また、子育て支援センターの整備や子育て支援員の配置、子育て情報の提供なども行っています。例えば、子育て支援センターでは、乳幼児のための遊び場や絵本コーナー、授乳スペースなどを設け、子育て中の母親たちが気軽に交流できる場を提供しています。

そして、育児休業の取得促進にも力を入れています。福岡市では、育児休業取得についての相談窓口を設置し、職場での育児休業取得をサポートする「職場育児支援モデル企業」の登録も行っています。また、男性の育児休業取得を促すため、男性向けの育児講座なども実施しています。

さらに、女性の就労環境の整備にも力を入れています。福岡市では、働き方改革に取り組む企業を支援するための「ワークスタイル・イノベーション・アワード」を設け、働き方改革に積極的な企業を表彰しています。また、女性が働きやすい環境づくりにも力を入れ、時短勤務制度や在宅勤務制度の整備、女性管理職の登用促進などを行っています。

以上のように、福岡市では、保育所の整備や子育て支援、育児休業の取得促進、女性の就労環境の整備など、様々な取り組みを行っています。

いかがでしたでしょうか。

まだまだ地域差があり、全国均一とはいいがたいところが多いですが、多くの自治体で、積極的な取り組みを進めているようです。
テクノロジーが進化することで、徐々に周囲の環境も変わっていくこと、また、日本の人手不足を考えると、働きたい人が働けるようになっていく可能性は高くなっていくと思われます。

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