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医療専門職のこれからのキャリアを考えるヒント

医療専門職のこれからのキャリアを考えるヒント

医療専門職のこれからのキャリアを考えるヒント

医療専門職は、いわゆる「安定した仕事」であり、突然の倒産や突然の解雇、減俸等についても起きにくいと言われています。

しかし、高度な専門知識があって、日々勉強を続けていても、なかなか給与が増えない、一般企業に務めている友人たちと年収などを比べてしまう、なんてこともあり、このままでよいのか……と思う人も多いようです。

医療専門職は、コロナ禍を経て「エッセンシャル・ワーカー」などと呼ばれることもあり、必要不可欠なインフラを支える仕事である一方、感情労働でもあると言われており、日々の負担感も強いことも、こういった不安感につながっていく要因なのかもしれません。

今回は、医療専門職のこれからのキャリアについて、お話していきたいと思います。

医療専門職の働き方

医療専門職の働き方については、いくつか分け方があります。一つは、時間や雇用形態による選択で、次に、働く機能についての選択で、主には専門性という言い方をすることがあります。そして、働く場所による選択もありますので、この3点についてご紹介していきたいと思います。

働く時間や雇用形態による選択

まず、一つ目に働く時間や雇用形態による選択があります。

具体的には、常勤か非常勤かということになります。医師以外のいわゆる常勤勤務は週5日40時間程度が常勤の設定になっていることが多いです。

医師については、週4勤務で、週1日はどこか別の病院で勤務をする方が比較的多いようです。

特に人手不足が顕著な職種については、非常勤勤務は人手確保のためによくとられている形態で、働く時間を制限したいがための非常勤以外に、アルバイトとしての非常勤勤務を選択される方も多くいらっしゃいます。

特に、看護師は全体として女性が多い職種になりますので、夜勤に入れないなどの事情がある方もいるため、夜勤のアルバイトについては需要がかなりあるようです。

理学療法士や作業療法士についてはクリニックや訪問等での非常勤勤務はよく見られている一方、言語聴覚士については全体数が少ないこともあり「非常勤でもいいから確保したい」というスタンスでの求人も多いのが現状です。

医療専門職は、人手不足であるケースも多いため、比較的常勤・非常勤を選択して働くことは可能であり、免許を持ってはたらく強みがあります。

働く機能による選択

もう一つは、働く機能についての選択で主には専門性、という言われ方をします。

現場スタッフとして働くか、マネージャーとして働くかという選択があり、もう一つ、現場スタッフの中にはジェネラリストとして働くか、スペシャリストとして働くか、という選択があります。

もちろん、非常に大きな組織でない限りは、マネージャーがマネージャー業だけ行うことは稀で、プレイングマネージャーであることも多いため、ジェネラリストでマネージャー、スペシャリストでマネージャーということも当然あり得ます。

医療専門職というくくりにすると、既に専門職であるのに、さらに専門性が分かれているのか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、医療は多くの診療科や、病期による機能区分がされ細分化されていますし、少しでもよい医療を提供するために研究も日夜行われているのです。

しかし、一職員という視点になると、自分が専門にしている分野の患者さんだけを診療することは事実上難しく、いわゆる専門外の患者さんの担当もする上、重複障害と言われる様々な疾患を抱えている方を担当する機会も多いため、その専門にしている領域のことだけわかっていれば、業務が成立するということは、実はあまりありません。

その為、様々な分野をまんべんなく行うことができるジェネラリストについても非常に価値があることであるとされています。

一方、最先端の医療を提供するためのスペシャリストも重宝される、という現状があります。医師や看護師は専門医制度や認定看護師制度を持っており、非常に長く厳しい教育課程を経て取得するため、資格を持っている人がいると、診療報酬にも影響することがあります。そのような場合は、その専門性を持っていること自体が高く評価されるのです。

その他の職種についても、それに追随するように認定や専門制度を確立していっている状態です。

ジェネラリストになるか、スペシャリストになるかで勉強の仕方も変わりますので、キャリア形成に大きく寄与する部分でもあります。

働く場所による選択

最後に、働く場所による選択があります。医療専門職ですので、一番多くいる分野が医療分野ということになりますが、福祉分野や地域での活動等、専門性以外にも区分があります。

医療分野というのは、医療機関での勤務になり解り易いと思います。福祉分野は、福祉施設での勤務になります。特別養護老人ホーム等がそれにあたります。もう一つ、地域分野はたとえば訪問診療や訪問看護、訪問リハビリテーションなどがそれにあたります。

最近は、地域包括ケアシステムというものが推奨されており、様々な分野の様々な専門職が地域を包括した形で患者さんや地域住民を支えていこうという取り組みが盛んにおこなわれていますので、そういった分野で働くことなどを指しています。

そして、それ以外にも学校や保育園、幼稚園での勤務や、自治体での勤務、産業分野といって、一般企業に専門職として企業で働く人の健康を守るために勤務をする方法もあります。

また、同じ一般企業でも、例えば医療を支えるためのシステムや機器、資材などを開発したり流通させたりする分野や、施設の経営を手助けするためのコンサルタントなどとしての働き方もあります。

医療業界全体を取り巻く現状

日本の医療は、献身的で低価格で標準化されたものを全国民が等しく受けられるように整備されています。もちろん、全てが均等ではないですし、人相手に人が行うためエラーも起こり得ます。

しかし、国民皆保険制度があることで、医療が満足に受けられないということは、諸外国に比べて起きにくいということがありますが、一方、長寿国でもあることも影響して、国全体が負担している医療費も年々増加しています。

その為、医療にかからなくても済むように、予防をしっかり行っていくという取り組みが非常に評価される流れになってきています。その為、一般企業や自治体での活動については、今後も幅が広がっていくと思われます。

一方、高齢化とそれに伴う人口の減少と相まって、医療機関の統廃合や医療機関自体が持っている後継者不足という問題があり、M&Aが盛んに行われるようになってきました。

つまり、突然経営者が変わり、病院の方針や方向性等が大きく変換するタイミングを経験する人が増えてきているということになります。

そうなると、今までのように「医療機関は滅多なことでは潰れない」ということではなく、医療機関に勤めていても、その業績や後継者問題をしっかりクリアできないと、自分の雇用やキャリアに大きく影響してくることがある、という時代に突入しているとも言えます。

理学療法士を実例として

それでは、ここで、医療専門職のこれからのキャリアということで、理学療法士を例に挙げて現状についてと、課題等についてご紹介したいと思います。

1 理学療法士を取り巻く現状

理学療法士は、リハビリテーションを担当する医療専門職の一つです。国家資格であり、最近は養成課程の増加も併せて、資格保有者の数が大幅に増えており、20万人ほどいると言われています。

業務としては、脳梗塞や骨折、肺炎等を含めて、様々な身体的な疾患を持つ方が元の生活に戻っていったり、障害があっても暮らしやすくなるような理学療法という医療技術を提供する仕事をしており、作業療法士や言語聴覚士と合わせてリハビリテーション職種と言われています。

養成校は非常に多くなっており、資格そのものが比較的新しいこともあり、若い世代が多い業界です。

若い世代が多く、男女比率も半々程度で、管理職比率が比較的高いことも特徴です。医療職種で資格を持って働いていることで、比較的女性が復職して働きやすい現場であるとも言えます。一方、同年代が多いことで今後ライフイベントが同時多発的に発生し、職場運営にも課題が出てくることが予想されます。

医療施設に7割程度が在籍し、その他が福祉分野、地域分野で働いていますが、徐々に就職先も飽和してきていることと、若い世代が非常に多いことで、「マネージャー職を経験しない若い世代」が多く生まれていくことでキャリアの行き詰まりを感じることが非常に早く訪れることが危惧されています。

以前は、転職することで、役職を得るようなキャリアアップが望めましたが、若い世代が多いことで、そういった転職することでキャリアアップするような戦略も徐々に取りづらくなっているのが現状かと考えられています。

2 職域拡大と法律や教育の壁

業界を構成する人員が増えていることを考えると、職域拡大が非常に大きなテーマになりますが、職域を拡大したいから、しよう!というほど、簡単な話ではなく、医療的な必要度や社会のニーズに合わせて、結果を出していくことが必要になってきます。

また、職域を拡大するには、拡大するための教育体制を整備することも必要ですが、職域を拡大していく層は、それだけで手いっぱいになってしまうこともあり、人手の問題もあり、教育体制を十分に整備していくのにかかる時間も長くなっていっているという課題もあります。

医療職種のこれからのキャリアについて

社会情勢や、医療業界の構造を考えると、働き方の改革や後継者問題等により、「今までと同じではいられない」という状況は、どの職種にあっても同様に言えることになります。

今までは、基本的には患者さんが病院に来れば、ほとんどの職種はそれで仕事が自動的に割り振られ、その中で一生懸命患者さんを診療していれば、仕事が成立しましたし、その中でのキャリア形成でよかったわけです。

日本としては、超高齢社会で医療のニーズは増えていく一方、全体としては人口オーナス期であり人口が減少していくことになりますので、働き方を改革し、人手不足に対応していくことも必要ですし、その中で高度化・複雑化・多様化している疾患像に対応していく必要性があり、教育制度等の拡充も非常に重要になります。

後継者問題等により、医療施設も一般職員にとっては突然経営者や経営方針が変わった!といった状況になることもあり、「目の前のことをしっかり行う」ことだけでは、自分のキャリア形成の予定が立てられないという子とも起こり得ます。

医療専門職だから、社会や経営のことは考えなくてもよい、ではいられないでしょう。

様々な情報に触れて、自分自身のキャリア形成を考えていく必要性があります。

こちらの記事もご覧ください

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◎新人看護師のキャリア形成
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