女性のキャリアに影響するアンコンシャスバイアス
女性がキャリアを形成していく中で、バリアになっているものに、アンコンシャスバイアスというものがあります。
2016年のアメリカ大統領選でドナルド・トランプ大統領に敗れた民主党のヒラリー・クリントン氏は、敗北宣言で「ガラスの天井(glass ceiling)」という言葉を使っています。ご存知の方も多いのではないでしょうか。
今回は、「ガラスの天井」である、アンコンシャスバイアスについて女性のキャリアに与える影響と共にご紹介いたします。
2016年のアメリカ大統領選でドナルド・トランプ大統領に敗れた民主党のヒラリー・クリントン氏は、敗北宣言で「ガラスの天井(glass ceiling)」という言葉を使っています。ご存知の方も多いのではないでしょうか。
今回は、「ガラスの天井」である、アンコンシャスバイアスについて女性のキャリアに与える影響と共にご紹介いたします。
1 アンコンシャスバイアスとは
アンコンシャスバイアスとは「無意識の根拠のない思いこみや偏見」のことを指し、過去の経験等から、自分の尺度だけで人の能力や仕事のやり方を決めつけてしまうようなことを指します。
つまり、目の前の人、目の前のことに対しての純粋な評価でなく、女性は〇〇だから、△△大学の学生はこうだから、などと根拠なく決めつけてしまうことです。
そんなことしません!自分には決めつけなんかはないです!
とおっしゃる方もいるかもしれません。
でも、こういうのはどうでしょう。(一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所HPより例示)
・血液型で、相手の性格を想像することがある
・「男は男らしく」や「女は女らしく」と、思うことがある
・噂をきいて「あの人はこういう人なんだ」と思い込んでいることがある
・任せるより、自分でやったほうがいいと思うことがある
・「前例」が気になり、一歩踏み出せないことがある
・「普通は~だ」「たいてい~だ」という言葉を使うことがある
などです。
こうなると、思い当たる方が多いのではないでしょうか。
その他でも例えば
・受付の仕事やアナウンスの仕事は女性の方がいいだろう
・女性管理職は、男性管理職に比べて決断力が低い
・30歳前の女性だから、そろそろ結婚退職するかもしれない
などはどうでしょうか?
アンコンシャスバイアスは、誰にでもあることです。また、バイアスそのものが人間が生きていくために必要な脳が学習した結果ですので、誰しも、なくすことができません。
あって当たり前なのです。
皆、何かしらのバイアスによりものを見て、選択をしています。
大事なのは、アンコンシャスバイアスがあることではなく、あると自覚することなのです。
つまり、目の前の人、目の前のことに対しての純粋な評価でなく、女性は〇〇だから、△△大学の学生はこうだから、などと根拠なく決めつけてしまうことです。
そんなことしません!自分には決めつけなんかはないです!
とおっしゃる方もいるかもしれません。
でも、こういうのはどうでしょう。(一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所HPより例示)
・血液型で、相手の性格を想像することがある
・「男は男らしく」や「女は女らしく」と、思うことがある
・噂をきいて「あの人はこういう人なんだ」と思い込んでいることがある
・任せるより、自分でやったほうがいいと思うことがある
・「前例」が気になり、一歩踏み出せないことがある
・「普通は~だ」「たいてい~だ」という言葉を使うことがある
などです。
こうなると、思い当たる方が多いのではないでしょうか。
その他でも例えば
・受付の仕事やアナウンスの仕事は女性の方がいいだろう
・女性管理職は、男性管理職に比べて決断力が低い
・30歳前の女性だから、そろそろ結婚退職するかもしれない
などはどうでしょうか?
アンコンシャスバイアスは、誰にでもあることです。また、バイアスそのものが人間が生きていくために必要な脳が学習した結果ですので、誰しも、なくすことができません。
あって当たり前なのです。
皆、何かしらのバイアスによりものを見て、選択をしています。
大事なのは、アンコンシャスバイアスがあることではなく、あると自覚することなのです。
2 ガラスの天井とは
一方、ガラスの天井とはなんでしょうか。冒頭でヒラリークリントン氏の話を出しました。
大統領選の敗北宣言で、このガラスの天井という言葉を使ったことが有名です。
JOC公式サイトの一部である「Sports Woman Career Up」内でも、「男性が組織の上層部を支配しているなかで、女性がキャリアアップを目指す際に直面する障壁(バリア)を意味する比喩的表現」と説明しています。
「(大統領という)最も高く硬い『ガラスの天井』は打ち破れませんでした。しかし、いつか誰かが打ち破るでしょう。それが、私たちが今考えているよりも早いことを願っています」
「そして、これを見ている全ての小さな女の子に。あなたは価値ある存在で、力強い。夢を実現するチャンスや機会を追い求めるに値するんです。そのことを疑わないで」
それから3年後のアメリカ大統領選、ジョー・バイデン氏の勝利しました。そこで、アメリカ史上初の女性副大統領としてカマラ・ハリス氏が就任しました。
その際に「世界で最も高いガラスの天井を破った」と伝えられました。その際、ハリス氏は、こう伝えています。
「私は最初の女性副大統領かもしれませんが、最後ではありません。今夜、この瞬間を見ているすべての小さな女の子たちは、ここが可能性に満ちた国であることを知ったからです」
アンコンシャスバイアスの結果、作られているものがガラスの天井であるともいえるのかもしれません。
大統領選の敗北宣言で、このガラスの天井という言葉を使ったことが有名です。
JOC公式サイトの一部である「Sports Woman Career Up」内でも、「男性が組織の上層部を支配しているなかで、女性がキャリアアップを目指す際に直面する障壁(バリア)を意味する比喩的表現」と説明しています。
「(大統領という)最も高く硬い『ガラスの天井』は打ち破れませんでした。しかし、いつか誰かが打ち破るでしょう。それが、私たちが今考えているよりも早いことを願っています」
「そして、これを見ている全ての小さな女の子に。あなたは価値ある存在で、力強い。夢を実現するチャンスや機会を追い求めるに値するんです。そのことを疑わないで」
それから3年後のアメリカ大統領選、ジョー・バイデン氏の勝利しました。そこで、アメリカ史上初の女性副大統領としてカマラ・ハリス氏が就任しました。
その際に「世界で最も高いガラスの天井を破った」と伝えられました。その際、ハリス氏は、こう伝えています。
「私は最初の女性副大統領かもしれませんが、最後ではありません。今夜、この瞬間を見ているすべての小さな女の子たちは、ここが可能性に満ちた国であることを知ったからです」
アンコンシャスバイアスの結果、作られているものがガラスの天井であるともいえるのかもしれません。
3 女性のキャリアに影響するアンコンシャスバイアスとは
パーソル総合研究所の報告でも、管理職登用の際のアンコンシャスバイアスとして、性別、特に男性と女性が並べば、女性を低く評価する傾向があることを報告しています。
同条件で女性と男性を並べた時に、女性を登用する割合は、男性を登用とする割合より8.9ポイントも差が出ていました。
ちなみに、女性の中でも子供ありの場合となしの場合では、ありの方が低い傾向を示していました。
これは、管理職は女性より男性の方が向いている、子供がいる女性には管理職はさせられない(これには配慮もバイアスも含まれる)ということかもしません。
あるいは、女性は感情的だ、とか、男性の方が論理的だ、とか、そういうアンコンシャスバイアスもあるかもしれません。
以前、社会問題化した某大学医学部の浪人生や女性への不利な採点問題についても同様です。学力だけだと女性という母集団の方ができてしまうことがあるが、いざ医師になって、女性医師が産休に入ったり、子育て等を理由に夜勤に入れないということでは、医療が回らないからといった論調もあったと記憶しています。
女性は、様々な国で、様々な領域でアンコンシャスバイアスと戦い、ガラスの天井を打ち破ろうとしているのかもしれませんね。
女性活躍推進法が施行されている現在、数値目標をクリアするために、あるいは広報を兼ねて「あえて」女性を登用するケースがあるかもしれませんし、それは言ってみれば逆差別であると言えるかもしれません。
以前、とある総合商社が、男女の採用比率を半数にすることを目指すことを明言した時にも議論が起こったようです。もちろん、総合商社はその逆差別であるという批判に対して、女性だから登用するということではないが、応募者の割合も圧倒的に男性が多い中で、女性にも応募してもらいたい(=分母を増やす)ことを目的にしており、採用の判断は公平に行うということを回答していたようです。
今後どのような多様化の方向性に舵をきっていくかは、企業の経営方針にも関わってくることですから、そういった意味でも先ほど例示した総合商社のように、しっかり表明するということも必要になってくるかもしれません。
同条件で女性と男性を並べた時に、女性を登用する割合は、男性を登用とする割合より8.9ポイントも差が出ていました。
ちなみに、女性の中でも子供ありの場合となしの場合では、ありの方が低い傾向を示していました。
これは、管理職は女性より男性の方が向いている、子供がいる女性には管理職はさせられない(これには配慮もバイアスも含まれる)ということかもしません。
あるいは、女性は感情的だ、とか、男性の方が論理的だ、とか、そういうアンコンシャスバイアスもあるかもしれません。
以前、社会問題化した某大学医学部の浪人生や女性への不利な採点問題についても同様です。学力だけだと女性という母集団の方ができてしまうことがあるが、いざ医師になって、女性医師が産休に入ったり、子育て等を理由に夜勤に入れないということでは、医療が回らないからといった論調もあったと記憶しています。
女性は、様々な国で、様々な領域でアンコンシャスバイアスと戦い、ガラスの天井を打ち破ろうとしているのかもしれませんね。
女性活躍推進法が施行されている現在、数値目標をクリアするために、あるいは広報を兼ねて「あえて」女性を登用するケースがあるかもしれませんし、それは言ってみれば逆差別であると言えるかもしれません。
以前、とある総合商社が、男女の採用比率を半数にすることを目指すことを明言した時にも議論が起こったようです。もちろん、総合商社はその逆差別であるという批判に対して、女性だから登用するということではないが、応募者の割合も圧倒的に男性が多い中で、女性にも応募してもらいたい(=分母を増やす)ことを目的にしており、採用の判断は公平に行うということを回答していたようです。
今後どのような多様化の方向性に舵をきっていくかは、企業の経営方針にも関わってくることですから、そういった意味でも先ほど例示した総合商社のように、しっかり表明するということも必要になってくるかもしれません。
4 女性が育休中に行って良かった対策とは?
同じくパーソル総合研究所の報告では、育児期に離職した正職員の6割が本当は勤務を継続したかったと答えており、自分の希望で退職されたのは2割にとどまったと報告されています。
また、離職した人の半数が、非正規雇用として復職していました。
柔軟な働き方やそれを支える制度があれば、働き続けることができる人が増えたかもしれませんし、離職せざるを得なかった方の中には、今後の組織のリーダーたるべき人材も含まれていたかもしれません。
また、育休中にやっておいた方が良いことも同時に報告されていました。これは、実際に育児休暇をとった方900名に尋ねた結果です。
1位=復職後の分担について夫婦の話し合い(67.6%)
2位=働く意義の明確化(66.3%)
3位=会社の人との交流(63.9%)
4位=キャリアの棚卸し(62.2%)
5位=ママ友づくり(57.9%)
皆さんが、働くための環境づくりをされていた様子が見て取れると感じます。
アンコンシャスバイアス、あるいはガラスの天井と戦うのは非常に骨が折れる作業です。戦わない、という選択肢もあるかもしれません。
また、管理職になることだけが、キャリアではないことを他の記事でも繰り返し述べてきましたが、こうやって皆さんが育休中に環境整備をされていることそのものは、育休中の皆様が、アンコンシャスバイアスに負けないように、自分自身が自分自身の意思でコントロールできるものを増やそうとしているということであるように思えるのです。
「女性は」、あるいは、「子持ちは」、と言われるのではなく、自分自身を評価され、働いていくためにしている努力なんではないのか、と。
一方で、皆さん自身が、皆さん自身に対してアンコンシャスバイアスをかけている可能性もあります。
つまり、「自分は子持ちになることによって、職場に迷惑をかける人材になってしまった。だから、迷惑をかけないようにしなくては」
アンコンシャスバイアスを知ることは、自分自身を知り、自分自身の行動を改めて定義するきっかけになるのかもしれませんね。
また、離職した人の半数が、非正規雇用として復職していました。
柔軟な働き方やそれを支える制度があれば、働き続けることができる人が増えたかもしれませんし、離職せざるを得なかった方の中には、今後の組織のリーダーたるべき人材も含まれていたかもしれません。
また、育休中にやっておいた方が良いことも同時に報告されていました。これは、実際に育児休暇をとった方900名に尋ねた結果です。
1位=復職後の分担について夫婦の話し合い(67.6%)
2位=働く意義の明確化(66.3%)
3位=会社の人との交流(63.9%)
4位=キャリアの棚卸し(62.2%)
5位=ママ友づくり(57.9%)
皆さんが、働くための環境づくりをされていた様子が見て取れると感じます。
アンコンシャスバイアス、あるいはガラスの天井と戦うのは非常に骨が折れる作業です。戦わない、という選択肢もあるかもしれません。
また、管理職になることだけが、キャリアではないことを他の記事でも繰り返し述べてきましたが、こうやって皆さんが育休中に環境整備をされていることそのものは、育休中の皆様が、アンコンシャスバイアスに負けないように、自分自身が自分自身の意思でコントロールできるものを増やそうとしているということであるように思えるのです。
「女性は」、あるいは、「子持ちは」、と言われるのではなく、自分自身を評価され、働いていくためにしている努力なんではないのか、と。
一方で、皆さん自身が、皆さん自身に対してアンコンシャスバイアスをかけている可能性もあります。
つまり、「自分は子持ちになることによって、職場に迷惑をかける人材になってしまった。だから、迷惑をかけないようにしなくては」
アンコンシャスバイアスを知ることは、自分自身を知り、自分自身の行動を改めて定義するきっかけになるのかもしれませんね。