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女性医療専門職のキャリア形成、一流から学ぶノウハウ

女性医療専門職のキャリア形成、一流から学ぶノウハウ

女性医療専門職のキャリア形成、一流から学ぶノウハウ

女性医療専門職のキャリア形成について、皆さんはどういう印象をお持ちでしょうか。

医療職は、国家資格を持ち、その免許がないとその業務ができない業務独占業務や、免許を持っていないとその職種が名乗れない名称独占業務がありますので、そこでのキャリア形成は、資格の上に積み上げていくイメージを持たれているのではないでしょうか。

また、その中でキャリア形成をする時に、どのように考えていったらよいのか迷われる方も多いと思います。

今回は、この専門職ならではのキャリア形成について考えたい思います。

1 医療専門職のキャリア

今回は、専門職の中でも医療専門職について話をしたいと思います。

医療専門職は、その職種ごとに中核的な業務と、それに必要な知識・技術・経験を積めるようにカリキュラムが組まれており、国家試験受験後、合格をもって国家資格を持つことができます。
この国家資格がないと、医療機関でその職種として働くことができません。

医師・歯科医師、看護師などが有名ですが、臨床検査技師、リハビリテーションを担当する理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、診療放射線技師、薬剤師、公認心理士、臨床心理士、社会福祉士、精神保健福祉士、管理栄養士、歯科衛生士など様々な仕事が細分化され、高度に専門化した業務を分担しています。

また、それぞれの職種に上位資格や専門資格・認定資格があることが多く、ベースの国家資格の上に、追加で資格や認定を積み上げていく形のキャリア形成をしていく方が多くいらっしゃいます。

教育の中でも「医師として」「看護師として」「理学療法士として」どうふるまうか、何をするかを教育されてきますので、資格としての哲学や倫理観が非常に個人の人格と近い職種群であると言えます。

私は理学療法士の資格を持っていますが、自分自身としての職業観を持つ前に、理学療法士としてどうあるべきか、という教育を受けますので、自分が何をしたいのか、ということについて、考えることは少なかったように思います。

つまり、自分が何をしたいのか、でなく、理学療法士としての自分が何をしたいのか、と常に考える癖がついている状態です。

これは、幸か不幸か、当たり前に行われており、私自身も以前は疑ったことがありませんでした。

しかし、自分は何がしたいのか、何が大事なのかを考える機会があった時に、あまりに自分と自分の持っている資格が同じ人格として取り扱われている事実に、大変衝撃を受けました。

もちろん、こういった教育の全てが悪いわけではありません。
対人援助職には高い倫理観が必要ともされますので、その職種としての哲学をしっかり指導されることは悪いことばかりではありませんし、必要な部分も非常に多いのです。

2 戦略的に考える

そういった教育が行われている中で、キャリア形成をするということになると、どうしてもその専門職の専門的知識・技術を高めていくという流れになりがちです。

というのも、そういった専門的知識・技術を高めていくことは、社会的なニーズとしては非常に高く、求められているものです。特に対患者さん、利用者さんサービスを考えると、とても理にかなっているのです。

医学は日進月歩で、以前は治らなかった病気が治り、なってから対応せざるを得なかった者が予防も可能になっていきます。

例えば、なったら死をイメージした癌も、治せる病気になりました。また、出産や新生児医療も世界に誇るレベルの高さの知識・技術を全国どこでも同じ値段で受けることができます。そういった中で、医療の受け手側としては、知識も技術も高くなればなるほど嬉しいわけです。

しかし、提供側としてはどうでしょうか。やっている中で、画一的な価値観(=教育として受けている医療職としての理想像)に息苦しさを感じたり、自分の方向性として違和感が出てくることがあった時に、これが職業自体を否定することになってしまう場合があります。

看護師なのに、こういうことを考えてはいけないのかもしれない→看護師に向いていないのかもしれない、というように、です。

本当は、あなた個人が持っている資格として看護師という資格があり、その人らしいキャリア形成が推奨されていくことが望ましいのです。画一的な価値観の中で息苦しいと思う自分を否定する必要性もないのです。

戦略的に考えるのであれば、この個人としての自分と、自分の持っている武器としての資格をうまく組み合わせて、何ができるか、と考えることが第一歩になるのかもしれません。

看護師としての自分が何をやるか、ではなく、自分は何をしたいか、看護師資格はどう生かすか?と考えてみる、ということです。

3 置かれたところで咲く

私も、長く医療業界にいるので、その世界でカリスマ、その世界で有名、という方にお会いしてお話を伺うことがあります。

皆さん、最初から自分自身が思い描いていた仕事だけをして、その専門性を高めてきたわけではありません。中には「何一つ、自分の思う通りにならなかった」と言っているカリスマもいます。

これを聞いた時には非常にびっくりしました。周囲から見ていると、なるべくしてなっているように感じますし、そうなろうと思ってやってきて今があるのだと思っていたからです。

なので、そのような有名で、こちらから見たらキラキラしているようなキャリアを持っている方が、そのように自分自身の軌跡をとらえていたことは非常に驚いたのですが、一方で、「〇〇さんですら、そうだったんだから、私に紆余曲折があるのは当たり前」とも思えました。

一方、その世界で大成している方の特徴は、「自分にとって不遇、希望しない場に置かれた時にも、腐らない」という部分があります。

「何一つ、自分の思う通りにならなかった」方も、思い通りにならないもどかしさ、怒り、焦りを必死に乗り越えたり、回避したり、作戦を練って、その時のベストを尽くそうとされていました。完全無欠のヒーローではなく、必死にもがいている一人の人でした。

そして、そういったところで頑張り切れるということが、その人の強さであり、今あるキャリアの源泉なんだな、と思います。

「置かれたところで咲く」というのは、ある種非常に受動的で自分がないように感じると思いますが、その場所に自分がいる意味があると、その時の状況を正解にしていく一つ一つの行動の連続は非常に能動的で創造的であると、話を聞いて強く思いました。

専門職のキャリア形成は、古い価値観が根強く残る中で工夫していくことになりますので、難しい側面もありますが、徐々に多様性が増し、より自分らしいキャリア形成が行われていくことができると信じ、支援を続けていきたいと思っています。

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◎女性の妊娠出産をキャリアの壁にしない働き方のコツ
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