女性のキャリア形成と副業解禁の行き先
女性のキャリア形成、というだけでなく、全就労者に対して大きな転換点にもなった、2018年の出来事を覚えていらっしゃるでしょうか。
それは、2018年に厚生労働省のモデル就業規則から「副業禁止規定」が削除された、という出来事です。
2020年にコロナ禍に突入し、経済環境の激変によって副業への注目度はさらに高まり、副業拡大へ追い風が吹いている状態です。
2020年9月に改訂された厚生労働省による「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、副業促進の企業側のメリットは「労働者のスキル・知識の獲得」「労働者の自律性・自主性の促進」などが挙げられています。
一方で、留意点としては「健康管理への対応」や「職務専念義務」などが指摘されています。
そこで今回は、副業によるメリットと留意点について紹介した上、女性のキャリア形成という観点で考えていきたいと思っています。
それは、2018年に厚生労働省のモデル就業規則から「副業禁止規定」が削除された、という出来事です。
2020年にコロナ禍に突入し、経済環境の激変によって副業への注目度はさらに高まり、副業拡大へ追い風が吹いている状態です。
2020年9月に改訂された厚生労働省による「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、副業促進の企業側のメリットは「労働者のスキル・知識の獲得」「労働者の自律性・自主性の促進」などが挙げられています。
一方で、留意点としては「健康管理への対応」や「職務専念義務」などが指摘されています。
そこで今回は、副業によるメリットと留意点について紹介した上、女性のキャリア形成という観点で考えていきたいと思っています。
1 3~4割は副業によるプラス効果
パーソル総合研究所によると、副業を実施したことによって「本業に役立つスキル・知識が身についた」「視野が拡大した」「新しいことを取り入れることに抵抗がなくなった」など、スキルやマインドの面で本業にプラスの効果があったと回答した人は3~4割程度いるようです。
これは企業側のメリットである「労働者のスキル・知識の獲得」、「労働者の自律性・自主性の促進」に該当します。
一方、過重労働については、「過重労働となり、体調を崩した」(16.1%)、「過重労働となり、本業に支障をきたした」(14.1%)となり、15%前後の副業者に発生していることが報告されています。
想定されているメリットやデメリットが、それぞれに一定程度発生していることが判ります。
こうなってくると、できるだけメリットは大きく、デメリットは小さくしていくように対応していくのが良いでしょうか。
これについては、本業へのプラスの効果(本業への還元)を促進する要因は「副業者本人の要因」と「職場要因」があることが分かっています。
副業動機については、調査結果から「スキルアップ・活躍の場の拡大」「自己実現」「本業への不満」「現職の継続就業不安」「なりゆき・頼まれ副業」「収入補填」の6つの因子を抽出しています。
どの動機もよくあるのではないでしょうか。私がいた医療業界では、肌感覚としては、「スキルアップ・活躍の場の拡大」「自己実現」と「収入補填」が多いよう感じています。医療職は国家資格ですが、安定はしているものの、そこまで高収入というわけでもなく、構造的な問題も抱えている職種があるため、キャリアを模索する段階として副業を選択する人は多いように思います。
一方、動機が本業へのプラス効果にどのように影響するのかを分析した結果を見ると、「スキルアップ・活躍の場の拡大」「自己実現」「なりゆき・頼まれ副業」がプラス効果を促進していることが分かったそうです。
「なりゆき・頼まれ副業」がプラス効果を促進するのは少し意外ですよね。「スキルアップ・活躍の場の拡大」「自己実現」については、ポジティブな動機付けがあり、本人の意欲が成長に影響を与えていることが理解しやすい一方、「なりゆき・頼まれ副業」というのは、受け身なイメージを持ちやすいように思います。
しかし、こういったものはその人の能力を周囲が買って仕事を振っている可能性もあり、ある程度専門性の高いスキルが求められ仕事を頼まれているケースが想定され、専門性の高いスキルを活かせる副業であれば本業への効果が高まるという意味では、理解しやすいですね。
一方で、「本業への不満」は、本業へのプラスの効果を抑制するということが明らかになり、留意する必要があります。つまり、そもそも本業に不満を持っているからこそ副業をすることになっており、本業にますます身が入らなくなるといったことが想像できます。
皆さんが副業を選択肢に入れる際に、自分自身がどのような動機で行おうとしているのかを整理し、自分自身のキャリア形成にどう副業が寄与するかを一度振り返ってみてもよいかもしれません。
これは企業側のメリットである「労働者のスキル・知識の獲得」、「労働者の自律性・自主性の促進」に該当します。
一方、過重労働については、「過重労働となり、体調を崩した」(16.1%)、「過重労働となり、本業に支障をきたした」(14.1%)となり、15%前後の副業者に発生していることが報告されています。
想定されているメリットやデメリットが、それぞれに一定程度発生していることが判ります。
こうなってくると、できるだけメリットは大きく、デメリットは小さくしていくように対応していくのが良いでしょうか。
これについては、本業へのプラスの効果(本業への還元)を促進する要因は「副業者本人の要因」と「職場要因」があることが分かっています。
副業動機については、調査結果から「スキルアップ・活躍の場の拡大」「自己実現」「本業への不満」「現職の継続就業不安」「なりゆき・頼まれ副業」「収入補填」の6つの因子を抽出しています。
どの動機もよくあるのではないでしょうか。私がいた医療業界では、肌感覚としては、「スキルアップ・活躍の場の拡大」「自己実現」と「収入補填」が多いよう感じています。医療職は国家資格ですが、安定はしているものの、そこまで高収入というわけでもなく、構造的な問題も抱えている職種があるため、キャリアを模索する段階として副業を選択する人は多いように思います。
一方、動機が本業へのプラス効果にどのように影響するのかを分析した結果を見ると、「スキルアップ・活躍の場の拡大」「自己実現」「なりゆき・頼まれ副業」がプラス効果を促進していることが分かったそうです。
「なりゆき・頼まれ副業」がプラス効果を促進するのは少し意外ですよね。「スキルアップ・活躍の場の拡大」「自己実現」については、ポジティブな動機付けがあり、本人の意欲が成長に影響を与えていることが理解しやすい一方、「なりゆき・頼まれ副業」というのは、受け身なイメージを持ちやすいように思います。
しかし、こういったものはその人の能力を周囲が買って仕事を振っている可能性もあり、ある程度専門性の高いスキルが求められ仕事を頼まれているケースが想定され、専門性の高いスキルを活かせる副業であれば本業への効果が高まるという意味では、理解しやすいですね。
一方で、「本業への不満」は、本業へのプラスの効果を抑制するということが明らかになり、留意する必要があります。つまり、そもそも本業に不満を持っているからこそ副業をすることになっており、本業にますます身が入らなくなるといったことが想像できます。
皆さんが副業を選択肢に入れる際に、自分自身がどのような動機で行おうとしているのかを整理し、自分自身のキャリア形成にどう副業が寄与するかを一度振り返ってみてもよいかもしれません。
2 副業の注意点
副業の注意点は、過重労働と方法の選択という点に集約されているように思います。
本業以外に時間を割くことになりますから、休息の時間は短くなりますし、場合によっては「頑張りすぎ」「働きすぎ」ということにもなりかねません。
本業の就業時間が長くなりがちな方や、副業で成功報酬型のものを選択される方の場合は特に注意が必要です。
その副業をいずれか本業にしていきたいと考えている場合を除いては、本業の方に悪影響を及ぼしたり、自分自身が身体を壊してしまうと、本末転倒ということになるでしょう。
また、昨今はSNSが活発化していることもあり、「関単に稼げる」「隙間時間で高収入!」といったようないわゆる「甘い誘惑」が多くあります。犯罪に加担するようなものから、詐欺的行為に巻き込まれるものまで多くありますので、リテラシーを持って選択していく必要性があります。
最近では、そうやって犯罪集団に巻き込まれてしまった方が実際に犯罪を犯し、逮捕されているケースも出てきていますので、是非注意していただきたいです。
また、多くの企業で副業が許可される流れはありますが、本業と競合してしまうものについては、許可されないため、選択の時点で自分のキャリアとその方向性を見定めていく必要性があります。
本業以外に時間を割くことになりますから、休息の時間は短くなりますし、場合によっては「頑張りすぎ」「働きすぎ」ということにもなりかねません。
本業の就業時間が長くなりがちな方や、副業で成功報酬型のものを選択される方の場合は特に注意が必要です。
その副業をいずれか本業にしていきたいと考えている場合を除いては、本業の方に悪影響を及ぼしたり、自分自身が身体を壊してしまうと、本末転倒ということになるでしょう。
また、昨今はSNSが活発化していることもあり、「関単に稼げる」「隙間時間で高収入!」といったようないわゆる「甘い誘惑」が多くあります。犯罪に加担するようなものから、詐欺的行為に巻き込まれるものまで多くありますので、リテラシーを持って選択していく必要性があります。
最近では、そうやって犯罪集団に巻き込まれてしまった方が実際に犯罪を犯し、逮捕されているケースも出てきていますので、是非注意していただきたいです。
また、多くの企業で副業が許可される流れはありますが、本業と競合してしまうものについては、許可されないため、選択の時点で自分のキャリアとその方向性を見定めていく必要性があります。
3 副業の選択方法
副業の選択方法については、副業の「動機」によると思いますが、自分自身のキャリア形成にとってプラスになるもの、あるいは、本業と掛け合わせることで、自分自身の希少性を高めるものというのが有効です。
特に、副業をキャリア形成に活かしていきたい、本業を充実させていくために選択する場合は、是非、上司の方と目標設定のための相談をしてみてください。その中で、しっかりその方向性をアウトプットし、自分自身がどの方向性に向かっていきたいか、その為に何が必要なのかということについて整理されていくでしょう。
また、上司の方に、自分自身のキャリア形成についての価値観や希望を把握してもらうことは、キャリアパスの開拓も含めてプラスに働くことがあるでしょう。
私自身も、医療機関に勤務しながら、職能団体の仕事も受けたり、講師依頼、執筆依頼を受けていましたが、そういう情報をしっかり内部で共有していくことは、自分自身のキャリア形成に寄与したと実感があります。
また、副業を行うにあたり得た知識・技術などを本業の方でも使用できることが多くありました。
是非、自分にとって良い選択をしてください。
特に、副業をキャリア形成に活かしていきたい、本業を充実させていくために選択する場合は、是非、上司の方と目標設定のための相談をしてみてください。その中で、しっかりその方向性をアウトプットし、自分自身がどの方向性に向かっていきたいか、その為に何が必要なのかということについて整理されていくでしょう。
また、上司の方に、自分自身のキャリア形成についての価値観や希望を把握してもらうことは、キャリアパスの開拓も含めてプラスに働くことがあるでしょう。
私自身も、医療機関に勤務しながら、職能団体の仕事も受けたり、講師依頼、執筆依頼を受けていましたが、そういう情報をしっかり内部で共有していくことは、自分自身のキャリア形成に寄与したと実感があります。
また、副業を行うにあたり得た知識・技術などを本業の方でも使用できることが多くありました。
是非、自分にとって良い選択をしてください。