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女性リーダーのキャリア形成のコツ

女性リーダーのキャリア形成のコツ

女性リーダーのキャリア形成のコツ

女性のキャリア形成の中でも、リーダーになっていく、管理職になっていくというのは、一つ大きな目標になってくるケースも多いのではないでしょうか。

職場の中で昇格・昇給していくことは、キャリアアップの一つの方法であると同時に、自分自身が成長していることを実感する出来事の一つになってくるからです。

政府は、女性管理職の比率を30%以上にすることを目標に掲げていますが、現状その達成度合いは芳しいとは言えない状態です。

そこで、今回は女性が管理職になっていくことについて、現状と課題等をご紹介していきたいと思います。

将来的に、管理職を考えたい、今実は打診が来ている、といった方は、是非見ていただけますと幸いです。

女性リーダー育成における現状と課題

1 女性活躍推進の動きの増加

組織として女性活躍推進に取り組む企業は増加してきています。

それは、「ダイバーシティ推進室」「ワークライフバランス推進室」といった名称で、経営戦略の一環として施策を打つ企業の増加という形で表れてきています。

一方で、政府の目標数値は30%ですが、それを受けて、女性活躍推進は数値で語られることが多くなりました。現場で働く自社の女性社員の内実よりも、目標達成の有無を重視する組織が多くなっています。

現在の管理職比率は、内閣府男女共同参画局の2018年の報告では14.9%で、上昇はしているものの、低い水準でとどまっています。内訳としては上位の役職ほど女性の割合が低く、係長級18.3%、課長級11.2%、部長級6.6%と報告されています。

2 女性管理職育成に苦戦する企業

これらの難しい点は、昇格・昇進の内示を出せば数値達成とはならない点にあります。

家庭運営の中心を担うことが未だ多い女性社員は、業務負荷の大きい管理職を、そう気軽に受けることができません。

女性は、そういったところは冷静で、昇格・昇給することを手放しで喜ぶことは少なく、冷静に今の状況を見極め、今の生活維持を上回るメリットがなければ昇格・昇進の打診を断る方も多いのが現状のようです。

また、当たり前のように男性中心の組織構造を前提としてきた企業では、女性に要職を任せるための育成や準備をしてきていません。そこに悪意などはないでしょうが、そういった側面で昇格・昇進の対象となる女性が育っていないという現状もあるでしょう。

例えば、ちょっとチャレンジングな仕事で、成功させれば昇格などの話もあるようなプロジェクトであれば、同じくらいであれば女性より男性へ任せている、などは、よくある光景なのではないでしょうか。

昇格などをするのに有利になってくるだろうロールモデルや、その教育を受けれる機会を作れるような集まりには、男性は男性しか呼ばずに、いわゆる子飼いのようなお気に入りの部下だけを連れていく、といったようなことは、どこの企業でも一定程度あるのではないでしょうか。

様々な条件やバックグラウンドを持っている人が働きやすい組織をつくることは、組織の生存戦略であり成長戦略なのです。

今、企業は「働く」ということに対するそもそもの前提条件の変更を迫られているのです。同質のものが長時間働いてたくさんのものを作り出す時代から、多様な人が集まって短時間ずつ仕事を行い成果を出す時代に、です。

3 女性活躍推進のもたらすメリット

女性活躍推進については、ただただ達成することが求められているから取り組まなければならない、というものではありません。

それにふさわしいメリットが企業にあるのです。

1)優秀な人材の獲得と離職防止
様な人材や多様な働き方を尊重する組織では、優秀な人材の離職を防ぎ、長く活躍してもらうことができます。つまり、ここで働き続けることは難しい、と判断する人が少なくなることで、優秀な人が「制度が整った他の企業」に移動してしまうことを防げます。当たり前のことですが、企業は優秀な人材にはずっと働いてほしいのです。

また、こういったことを積み重ねていくことで組織評価が高まり、優秀な人材を獲得しやすくなり、結果として組織成長や拡大が促進されていくことが予想されます。

2)組織に対する帰属意識が高まる
「働き方の多様性」を認めることは、マネージメントの大変さを内包しますが、一方、社員一人ひとりを大切にする姿勢と捉えることができ、自ずと社員のその組織に対する帰属意識が高まっていきます。「こんなに大切にしてもらえるなら、自分も何か返さなくては」と思うのは、返報の法則といって、当たり前に人に備わっている心の動きなのです。

3)「対応力」と「耐性」
同じ価値観や状況の人達で構成される組織は、外部の変化に鈍感になりやすいといわれています。一方で、その点、多様な価値観や状況の人達で構成されている組織では、多様な視点から変化を発見することができるようになります。そのため、多様な側面からリスクを判断することができます。

昨今、コンプライアンスの問題等で、SNSを含めた広告が炎上する騒ぎになることがありますが、アンコンシャスバイアスも含めて、単一な価値観ではリスクをつかみきれないことがありますので、多様な視点が入ることは企業のリスクヘッジにもなるでしょう。

4 女性管理職への期待

1)キャリアの開拓者
管理職、つまり企業の意思決定の場における男性の比率が高い中で、役職者や経営層に女性が参入する意義というのは多様化に対応できる柔軟性のある組織に舵を切ることに他なりません。

また、女性管理職には、組織および日本におけるキャリアの開拓者として活躍することが期待されているのです。その方々を周囲で見ているその他の女性が、ロールモデルにしたり、「自分にもできるかもしれない」「私もやってみよう」と思うようになるからです。

2)視点を活用した価値創造
女性だからこそ持てる視点や気づくことのできる点を活かした活躍に対しても、期待が寄せられています。たとえば、女性が普段家事や育児などをしている中で感じている不便などについて、それを解消するためのビジネスのタネの創出などは、非常に価値が高いものになるでしょう。

3)ロールモデル
現在日本では、女性管理職は15%程度しかいない状態で、キャリアの方向性としての管理職というのは道筋が描きにくい現状があります。しかし、女性管理職の数が増えていくことで、女性社員のキャリアや働き方におけるお手本、希望としての価値も出てきて、その組織で力をもっと発揮していこう、と考える人も増えることが期待されています。

4)後輩指導
自身が管理職として活躍するとともに、メンターとして相談を受けたり支援を行うなど、後輩指導をし、全体的な組織の力を引き上げることが期待されます。

「そんなにたくさんの期待を向けられると重い」「荷が重くて、そんなたくさんのことは自分にはできない」と思う方も当然いらっしゃるでしょう。

しかし、完璧である必要はありません。実は、この管理職を引き受ける段階でも男女差が出ており、女性は引き受けた時点で完成度の高いものができる自信がないと引き受けないという傾向があるという報告があります。一方、男性はもう少し最初のハードルが低く、なってから成長すればいいと思っている方が多いそうです。

なので、女性はもう少しラフに考えてもよいのかもしれません。

また、周囲の求める型、前任者と同じように、自分の上司と同じようにできなくては、と固く考えるのではなく、チャンスや転機をポジティブに受け取り、自分らしい挑戦を続けた結果として、後輩育成につながりロールモデルのひとつとなり、キャリアの開拓につながっていくと考えられます。

女性管理職に必要なスキル

(1)安定感

管理職は心理面での変動を最小限にし、「自分の機嫌を自分でとることができる」状態を保つことが重要です。急に不機嫌になったり、話しかけづらい状態になったりすると、部下は安心して業務に取り組めなくなりますし、周囲との関係性についても安定性が下がってしまいます。自分の感情をコントロールするスキルを身につけることは非常に重要になってきます。

(2)判断力や思考力

現場で自分が判断をして、結果を引き受けなければならないことが多くなっていきます。そのため、プレッシャーも比例して大きくなります。そのために、組織における様々な判断軸・視点をもって考えていくことで、適切な判断ができるスキルを身につけていく必要性があります。

(3)指導力

管理職は、効果的かつ効率的な指導をするスキルを身につけていく必要性があります。そして、そのスキルを公平に部下に発揮していくことが求められます。(1)の安定感にも共通する部分にもなるかと思われます。

多様化する管理職像

管理職に求められる役割は多岐に渡りますし、そのあり様は組織やその人個人の個性もあるため、より多様化していきます。そのため「管理職」と聞くと、カリスマ性だったり強いリーダーシップを発揮できる人だったり、「すごい人」「できる人」をイメージする人も多いと思います。

確かに従来「リーダーシップ」と言えば、命令・指示によってメンバーを管理する「ボス・リーダーシップ」が主流でした。男性的ともいえるかもしれません。

女性管理職には、以前は強いリーダーシップを発揮すれば「かわいげがない」とか、「女性らしくない」などと揶揄され、スタッフに寄り添うようにすれば「決断力がない」とか「リーダーシップが発揮できていない」など、ダブル・スタンダードとも呼べる視線が向けられていました。

管理職に抜擢された方や、あるいは、管理職に既になっている女性が苦しんでいた部分でもあると思います。

しかし、職員の個性や背景等も多様化しているように、実はリーダー像も多様化しているのです。

周囲と円滑な関係を保ちながら調整をすることが上手なリーダーや、メンバーのことを細かく把握し、考慮したうえで業務の割り振りができるリーダーなど、多様なリーダーが求められ、また認められるようになりました。

リーダー像が多様化し、その組織が求めるものであれば、様々な役割ややり方が受容されるようになってきていますし、また、求められるようになってきています。

目標にすべき像に向かって、一つ一つ自分自身にスキルを蓄えていけるとよいのではないでしょうか。

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