女性が40歳代までに貯めておくべきキャリア資本
女性がキャリア形成をしていく際に、よく言われるのが「資格」の取得です。資格があることで、就職や転職に有利になる場面はありますし、そのため、就職や転職前に資格を取得される方も多いと思います。
一方、転職する場合に資格よりも重要視すべき視点がいくつかあります。
それはキャリア資本というもので、ビジネス資本、社会関係資本、経済的資本の3つの資本から構成されています。
今回は、このキャリア資本について、ご紹介しながら40歳代女性が転職に臨むまでについてお話をしていきたいと思います。
一方、転職する場合に資格よりも重要視すべき視点がいくつかあります。
それはキャリア資本というもので、ビジネス資本、社会関係資本、経済的資本の3つの資本から構成されています。
今回は、このキャリア資本について、ご紹介しながら40歳代女性が転職に臨むまでについてお話をしていきたいと思います。
キャリア資本とは
1 ビジネス資本
ビジネス資本は、これまでの経験やスキルのことを指します。例えば、スキル、語学、プログラミングなどの専門技術、資格、学歴、職歴などを指します。
これらについては、一つの企業にいると当たり前のように感じてしまう部分でもあるのですが、一方、キャリアの棚卸をして、一般的な能力に置き換えて列挙することで、自分の力がどの程度までついていて、これからどのような力をつけていけばよいのか知ることができます。
例えば、営業に携わってきた方であれば、職歴だけであれば「〇〇会社 営業部」だけかもしれませんが、実際にしていた仕事を細かく分解すると、「顧客のニーズを聞き出す力」「顧客のニーズにあった商品・サービスを選択できる力」などといくつもの段階に分けて考えることができます。
営業部門であれば、営業成績を上げていくことが生産性の高い社員であるという証明になる一方、「営業成績が良い」だけでは、どのような力が上がれば、上がっていくものなのかを論理的に考えることは難しいのではないでしょうか。
そこで、営業の仕事を細かく分解することで、自分自身の現在の仕事がどの力が強く、どこに改善が必要かを考えるきっかけになるのではないでしょうか。
これらについては、一つの企業にいると当たり前のように感じてしまう部分でもあるのですが、一方、キャリアの棚卸をして、一般的な能力に置き換えて列挙することで、自分の力がどの程度までついていて、これからどのような力をつけていけばよいのか知ることができます。
例えば、営業に携わってきた方であれば、職歴だけであれば「〇〇会社 営業部」だけかもしれませんが、実際にしていた仕事を細かく分解すると、「顧客のニーズを聞き出す力」「顧客のニーズにあった商品・サービスを選択できる力」などといくつもの段階に分けて考えることができます。
営業部門であれば、営業成績を上げていくことが生産性の高い社員であるという証明になる一方、「営業成績が良い」だけでは、どのような力が上がれば、上がっていくものなのかを論理的に考えることは難しいのではないでしょうか。
そこで、営業の仕事を細かく分解することで、自分自身の現在の仕事がどの力が強く、どこに改善が必要かを考えるきっかけになるのではないでしょうか。
2 社会関係資本
社会関係資本は、友人や同僚などの人的ネットワークのことを指します。それは、社内だけでなく、社外の人間関係も同様です。
これは広ければいいという話ではなく、この関係性の中で関係性を大事にし、信頼関係を築けているのか、というところが重要になってきます。
学生時代は、進学したりする毎に新しいコミュニティができたり、習い事や塾なども含めて新しい人間関係できていったりすると思います。
会社に入りたての時期も同様で、特に若いうちは、会社の内部の方もそうですが、プロジェクトでかかる部署が違う方々や社外の方々との新しいコミュニティができ、新鮮さも非常にあるのではないでしょうか。
しかし、年齢が上がり、社歴が上がると、そういった新しい出会いも一旦落ち着き、徐々に社会関係資本が安定化してくるのではないでしょうか。
良く言えば、安定、悪く言えば硬直化とも言えます。
硬直化してくると、「社会関係資本」は増えていかない=維持している状態になりプラトー状態になってきます。
人間関係が安定しているので、非常に居心地が良くなり、新しい挑戦をすることも、そういった挑戦をする人を見聞きすることも少なくなってくるのかもしれません。
こういった時に、あえて新しいコミュニティに出かけていって刺激を受けることで、プラトー状態だったところから一歩踏み出すことができるようになる、ということもあるかもしれません。
これは広ければいいという話ではなく、この関係性の中で関係性を大事にし、信頼関係を築けているのか、というところが重要になってきます。
学生時代は、進学したりする毎に新しいコミュニティができたり、習い事や塾なども含めて新しい人間関係できていったりすると思います。
会社に入りたての時期も同様で、特に若いうちは、会社の内部の方もそうですが、プロジェクトでかかる部署が違う方々や社外の方々との新しいコミュニティができ、新鮮さも非常にあるのではないでしょうか。
しかし、年齢が上がり、社歴が上がると、そういった新しい出会いも一旦落ち着き、徐々に社会関係資本が安定化してくるのではないでしょうか。
良く言えば、安定、悪く言えば硬直化とも言えます。
硬直化してくると、「社会関係資本」は増えていかない=維持している状態になりプラトー状態になってきます。
人間関係が安定しているので、非常に居心地が良くなり、新しい挑戦をすることも、そういった挑戦をする人を見聞きすることも少なくなってくるのかもしれません。
こういった時に、あえて新しいコミュニティに出かけていって刺激を受けることで、プラトー状態だったところから一歩踏み出すことができるようになる、ということもあるかもしれません。
3 経済的資本
最後に、経済的資本です。これは、文字通り「金銭的な資本」ということになります。
勤務を続けていれば、一定程度の蓄えなどができると思います。40歳代になってくると、子育ても手がかかるところは落ち着いてきますが、徐々に教育費としてお金がかかるようになっていきます。
そういったタイミングで、もし、自分自身がさらに転職をかなえたいという場合は、この経済資本がないと、実際問題としてなかなか踏み出せないということもあるでしょう。
特に、転職後はボーナスなどが入ってこなかったり、うまくいかない場合は、無職の期間ができてしまったりすることもあるため、この期間に生活を維持できるような資本を持っていることが必要になってきます。
また、これ以外にビジネス資本や人間関係資本を使って、経済的資本を増やしていくことも可能です。つまり、今までに蓄えた技術・知識・経験や人脈などを用いて、インカムを増やしてくことです。
例えば、昇給・昇格、転職、副業や独立などがそれにあたります。
ビジネス資本も、人間関係資本も、経済的資本も互いに影響し合っていますので、この3つの観点で自分自身のキャリアを考えていくと、分かりやすいかもしれません。
勤務を続けていれば、一定程度の蓄えなどができると思います。40歳代になってくると、子育ても手がかかるところは落ち着いてきますが、徐々に教育費としてお金がかかるようになっていきます。
そういったタイミングで、もし、自分自身がさらに転職をかなえたいという場合は、この経済資本がないと、実際問題としてなかなか踏み出せないということもあるでしょう。
特に、転職後はボーナスなどが入ってこなかったり、うまくいかない場合は、無職の期間ができてしまったりすることもあるため、この期間に生活を維持できるような資本を持っていることが必要になってきます。
また、これ以外にビジネス資本や人間関係資本を使って、経済的資本を増やしていくことも可能です。つまり、今までに蓄えた技術・知識・経験や人脈などを用いて、インカムを増やしてくことです。
例えば、昇給・昇格、転職、副業や独立などがそれにあたります。
ビジネス資本も、人間関係資本も、経済的資本も互いに影響し合っていますので、この3つの観点で自分自身のキャリアを考えていくと、分かりやすいかもしれません。
<アンラーニングのススメ>
ここまで、キャリア資本の3つの視点についてお話をしてきましたが、もし、この3つの資本を用いて、さらにキャリア資本を蓄えていこうとした時に、転職を選択される方もいらっしゃると思います。
別記事でもお話をしましたが、40歳代女性の転職活動は、誰でも彼でも成功するよ!転職すれば、解決するよ!ということではありません。
転職した後にもいくつか注意点がありますので、それについて考えていきたいと思います。
別記事でもお話をしましたが、40歳代女性の転職活動は、誰でも彼でも成功するよ!転職すれば、解決するよ!ということではありません。
転職した後にもいくつか注意点がありますので、それについて考えていきたいと思います。
1 人間はバイアスからは逃れられない
人間には、様々なバイアスが存在していると言われており、その数は無数にあるといってもよいほどあります。バイアスというのは「偏り」ということで、言ってみれば人間の認知のゆがみとも言えます。
その事柄が本当かどうかは別として、ショートカットして答えを出していきます。
例えば、きちんとした服装をしているから、仕事ができそうだな、とか、〇〇大学卒業だから、きっと頭がいいのだろう、とか。事実を確認したわけではないのに、そう思っている、というのはよくあることではないでしょうか。
自分自身で自覚が難しいものもたくさんあるので、なかなか、このバイアスから逃れることは難しいのです。
バイアスは、何かを考えたり、比較して考察したりするコストを省くために生存戦略の一部として人間に備わっているのです。
例えば、何か危険を察知した時に、いちいち、いろいろなことを考えては行動できず、その危険に飲み込まれてしまうかもしれません。
なので、こういうことが起こったら、こうなってしまうかも!といったようにショートカットして物事を認知するということが必要だったんですね。
よくあるバイアスには、以下のようなものがあります。
● 現在バイアス:将来よりも“現在”の利益が大切という認知が働いて、本当の利益を見誤る
● サンクコストバイアス:“もったいない”精神で、今までかけた労力などが捨てられない
● 正常性バイアス:“自分だけ”は大丈夫!と思って物事を判断する
● 確証バイアス:自分にとって“都合良い”情報のみ信じる
● 内集団バイアス:いわゆる“身内びいき”で、自分の仲間は優れている、正しいと思うこと
● 後知恵バイアス:そう思ってなかったとしても、“やっぱりそうなったか”、と感じること
どうでしょうか。皆さんの中にもこれ、当てはまるかもしれない……というエピソードがいくつもあるのではないでしょうか。
その事柄が本当かどうかは別として、ショートカットして答えを出していきます。
例えば、きちんとした服装をしているから、仕事ができそうだな、とか、〇〇大学卒業だから、きっと頭がいいのだろう、とか。事実を確認したわけではないのに、そう思っている、というのはよくあることではないでしょうか。
自分自身で自覚が難しいものもたくさんあるので、なかなか、このバイアスから逃れることは難しいのです。
バイアスは、何かを考えたり、比較して考察したりするコストを省くために生存戦略の一部として人間に備わっているのです。
例えば、何か危険を察知した時に、いちいち、いろいろなことを考えては行動できず、その危険に飲み込まれてしまうかもしれません。
なので、こういうことが起こったら、こうなってしまうかも!といったようにショートカットして物事を認知するということが必要だったんですね。
よくあるバイアスには、以下のようなものがあります。
● 現在バイアス:将来よりも“現在”の利益が大切という認知が働いて、本当の利益を見誤る
● サンクコストバイアス:“もったいない”精神で、今までかけた労力などが捨てられない
● 正常性バイアス:“自分だけ”は大丈夫!と思って物事を判断する
● 確証バイアス:自分にとって“都合良い”情報のみ信じる
● 内集団バイアス:いわゆる“身内びいき”で、自分の仲間は優れている、正しいと思うこと
● 後知恵バイアス:そう思ってなかったとしても、“やっぱりそうなったか”、と感じること
どうでしょうか。皆さんの中にもこれ、当てはまるかもしれない……というエピソードがいくつもあるのではないでしょうか。
2 アンラーニングのススメ
さて、このようなバイアスの中で、転職した時にやってしまいがちなのは、「前の職場ではこうだったから、今回の職場でもこうだろう」といった内集団バイアスや、今まで築いてきた地位や技術・知識を捨てられないサンクコストバイアスです。
転職した時には、オンボーディングといって、改めて新しいコミュニティになじむことが必要になってきます。日本には郷に入っては郷に従えという格言があるように、組織がもともと持っている風土や文化、ルールというのは、転職当初はなかなか全て把握できないものです。
しかし、これらバイアスがあることで、その情報を見誤ってしまうことがあります。
もちろん、転職先の企業としても新しい人が来ることで「新しいアイデア」や「新しい技術や知識」がもたらされることは歓迎されるのですが、それはあくまで、「自分の組織になじみつつ」発揮されることが望まれるわけです。
なので、「以前の職場ではこうでした!」というのを、求められないうちからどんどん言っていくことは、相手の「内集団バイアス」を刺激してしまうかもしれません。
そこで、まずは、一旦自分自身の技術・知識・経験をリセットするようなつもりで臨むことが重要になってきます。これをアンラーニングといいます。
自分自身がこれまでに培ってきたものは、労力や苦労があった分、捨てがたいもので、サンクコストバイアスが働きやすいものです。
ただ、このサンクコストバイアスが働くと、本当に必要な事実や状況を見誤って、自分自身に不利な判断をしてしまうことがあります。
サンクコストというのは、戻ってこない(=変わらない)コストという意味で、捨てても捨てなくてもその価値は変わらないのです。
例えば、既に買っていた日付指定の映画チケットがあったとして、その購入後にさらに魅力的なお誘いが別にあったとします。映画のチケットのお金は、行ったとしても、行かなかったとしてももう手元に戻ってこないものです。
そうしたら、より魅力的な方に参加した方が、自分にとっては実は利益があるのに、「もったいないから」と、映画を優先させてしまいがちです。これが、サンクコストバイアスです。
皆さんが、転職した時には、転職した先で、力を発揮できることが本当に求められることで、自分自身の利益になることであり、自分の今までの経験や知識・技術を誇示することは、転職した先での力の発揮を阻害することもあるのです。
その為、サンクコストバイアスを意識し、アンラーニングをしっかり行っていき、まずは組織になじむことを優先するというのが最終的な自分自身の利益につながっていきます。
是非、転職する際には、気を付けてみてくださいね.
いかがでしたでしょうか。しっかりとキャリア資本を蓄積し、転職ができる状態を作っておくことは、自分自身の視野を広げることにも役立ちます。
40歳代に差し掛かると、どうしてもキャリアも硬直したり、天井にぶつかりがちですが、キャリア資本をためておくことで、いざという時に転職など、新しいチャレンジをするというカードを切ることができます。
是非、それまでの間にキャリア資本を蓄積してください。
転職した時には、オンボーディングといって、改めて新しいコミュニティになじむことが必要になってきます。日本には郷に入っては郷に従えという格言があるように、組織がもともと持っている風土や文化、ルールというのは、転職当初はなかなか全て把握できないものです。
しかし、これらバイアスがあることで、その情報を見誤ってしまうことがあります。
もちろん、転職先の企業としても新しい人が来ることで「新しいアイデア」や「新しい技術や知識」がもたらされることは歓迎されるのですが、それはあくまで、「自分の組織になじみつつ」発揮されることが望まれるわけです。
なので、「以前の職場ではこうでした!」というのを、求められないうちからどんどん言っていくことは、相手の「内集団バイアス」を刺激してしまうかもしれません。
そこで、まずは、一旦自分自身の技術・知識・経験をリセットするようなつもりで臨むことが重要になってきます。これをアンラーニングといいます。
自分自身がこれまでに培ってきたものは、労力や苦労があった分、捨てがたいもので、サンクコストバイアスが働きやすいものです。
ただ、このサンクコストバイアスが働くと、本当に必要な事実や状況を見誤って、自分自身に不利な判断をしてしまうことがあります。
サンクコストというのは、戻ってこない(=変わらない)コストという意味で、捨てても捨てなくてもその価値は変わらないのです。
例えば、既に買っていた日付指定の映画チケットがあったとして、その購入後にさらに魅力的なお誘いが別にあったとします。映画のチケットのお金は、行ったとしても、行かなかったとしてももう手元に戻ってこないものです。
そうしたら、より魅力的な方に参加した方が、自分にとっては実は利益があるのに、「もったいないから」と、映画を優先させてしまいがちです。これが、サンクコストバイアスです。
皆さんが、転職した時には、転職した先で、力を発揮できることが本当に求められることで、自分自身の利益になることであり、自分の今までの経験や知識・技術を誇示することは、転職した先での力の発揮を阻害することもあるのです。
その為、サンクコストバイアスを意識し、アンラーニングをしっかり行っていき、まずは組織になじむことを優先するというのが最終的な自分自身の利益につながっていきます。
是非、転職する際には、気を付けてみてくださいね.
いかがでしたでしょうか。しっかりとキャリア資本を蓄積し、転職ができる状態を作っておくことは、自分自身の視野を広げることにも役立ちます。
40歳代に差し掛かると、どうしてもキャリアも硬直したり、天井にぶつかりがちですが、キャリア資本をためておくことで、いざという時に転職など、新しいチャレンジをするというカードを切ることができます。
是非、それまでの間にキャリア資本を蓄積してください。