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女性のキャリア形成を大きく変えたコロナ・ウイルス~週休3日という働き方~

女性のキャリア形成を大きく変えたコロナ・ウイルス~週休3日という働き方~

女性のキャリア形成を大きく変えたコロナ・ウイルス
~週休3日という働き方~

コロナ・ウイルスが世界で猛威を振るってもう2年以上が経過しました。女性のキャリア形成も、このコロナ・ウイルスの影響を大きく受けました。

例えば、コロナ・ウイルスの影響で大きく損害を被った業界と言えば、観光業やサービス業などがあります。自粛生活を強いられたことで、飲食店や観光業は大きな打撃を受け、そこで働いていた方の解雇や、労働時間の大幅な短縮などがありました。

これらの業界は、女性の非正規雇用が多い業界でもあり、その為女性の貧困が進んだというニュースは見かけた方も多いのではないでしょうか。

また、女性が多い業界として医療介護、保育の現場があります。雇用はむしろ大きく守られ、エッセンシャルワーカーとして、重要性が再認識されたともいえますが、感染対策をしながらリスクが高い現場で、感染したら命を落とすリスクが高くなる方々を対象に業務をすることは、ストレスも多くありました。

こう書くと、悪い面が非常に多く見えるのですが、働き方全般という意味ではよい面も多くできました。今回はこの面について最近のトピックスについてご紹介したいと思います。

1 代表的な例としてのテレワーク

 コロナ・ウイルスの影響で最も大きく変化したのは、テレワークの導入加速ではないでしょうか。

 通勤時あるいはオフィスでの密集等を防ぐため、テレワークが導入され、大きく発展しました。本社の異動や、事実上のオフィスの縮小をし、自宅で仕事をしていける環境をどんどん整えていく方針になっている企業は非常に増え、自宅で仕事をするのであれば、例えば勤務地近くに住んでいなくてもよいという方もおり、地方に引っ越したり、実家に戻る、なんて選択をされた方も多くみられました。

 当初こそ、セキュリティに問題があると言われたZoom等も、早々にセキュリティを強化し、テレビ会議システムの主流となりました。

 自宅にいながら仕事ができるようになったことで、仕事が継続しやすくなった方や、通勤時間をなくすことができるようになったことで、家事にかけられる時間、育児にかけられる時間が長くなったという方もいるのではないでしょうか。コロナ・ウイルスによる感染対策などが緩和されてきたとしても、このテレワークの興隆については、後退することなどはないでしょう。

2 副業の解禁

 これはコロナ・ウイルスの影響を受ける前から徐々に進んでいましたが、副業を解禁していく動きも加速しています。

 これは政府が2017年3月にまとめた働き方改革の実行計画の中で、「副業・兼業の推進」が掲げられたのを受け、2017年11月に厚生労働省が有識者検討会に提示した「モデル就業規則」の改正案の公表がきっかけになっています。

 このモデル就業規則では、会社への届け出を原則としていますが、これが事実上の副業解禁と言われています。

 つまり、副業解禁は、国策なんですね。これらを受け、2018年4月にユニ・チャームや新生銀行など大手企業が副業解禁に舵を切りました。

 一方、これを何故国策にしなければならなかったのか、と言えば、日本の人口減少や所得低下があげられます。少子高齢化による人口減少は日本にとって非常に大きな問題で、労働力不足の原因になっています。

 その為、今いる人材を最大限に活用しつつ、労働力不足や所得低下問題を同時に解決しようというのが、副業解禁の実際的な狙いということになります。

 つまり、副業を解禁することで、「本業の他にも働きたい方」を再度労働市場に出すことができるんですね。そうすることで、働く人が増え、かつ、その方の収入を増やすことができます。

3 週4勤務、週休3日という働き方

 イギリスで、給与を減らさずに週休3日にする社会実験が始まったというニュースを見た方もいらっしゃるのではないでしょうか。

   2022年6月に開始された「週休3日制」というイギリスの試験プログラムに、過去最大となる70社3300人の労働者が参加しています。フィッシュアンドチップス店から、大手金融機関まで、バラエティーに富んだ企業が「賃金はそのままで労働時間を短縮する」という壮大なプロジェクトに取り組むということです。

   実は週休2日制を生んだ国と言われているイギリスで、今回開始された週休3日制の実証実験は、非常に注目度の高いものになっています。

   この週休3日制度については、既にニュージーランドやアイスランドですでに実験が行われていましたが、今回のイギリスでのトライアルは過去最大規模で、オックスフォード大学やケンブリッジ大学といった超名門校も参画しています。

   実は、この週休3日制度は、日本でも広がってきています。日立製作所やパナソニックホールディングスなどが今年度中に週休3日を選べる制度の導入を検討している他、コロナウイルス関連で注目を浴びていた塩野義製薬も週休3日を選択できる制度をすでに導入しています。

   日立製作所が導入する新制度は、社員が働き方を自分で調整ができることで週休3日にできるというもので、月ごとの総労働時間が変わらないという点で給与を据え置きにしています。つまり、週休3日にするためには、1日の労働時間を長くする必要性があるということになります。

   パナソニックが試験的な導入を検討しているものは、日立製作所とはまた別で、1日の労働時間は減らさずに勤務日を減らすため、給与水準は2割減少するものになるのではないかと想定されています。ここは、まだ公表されていません。また、塩野義製薬の新制度も、パナソニックと同様の制度であるようです。No Work, No Payという観点からは、この方法が一番日本企業では選択・管理しやすいと思われます。

   現在イギリスで実験的に行われているものは、「給与水準を変えずに、労働時間を削減する」というものですので、「何時間働いたか」というよりは「短い時間で同じ成果が出せればよい」とする制度ですので、現状日本企業では採用しづらい側面がありますが、生産性が高い方が評価されるという意味では、能力がある方にとっては非常に良い制度であると言えます。

   働き方の変遷や、社会の変化に合わせてどう働いていくか、生きていくかという流れは非常に多くの視点が必要であり、これが唯一の正解であるということは言えないと思います。大変なことも多かったこのコロナ禍ではありますが、このような社会の変化を大きくもたらしたという意味では、私達の社会にとって、振り返ってみると重要な出来事であったと言えるのかもしれません。

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