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女性のキャリア形成を行う上で注意すべきすれ違い

女性のキャリア形成を行う上で注意すべきすれ違い

女性のキャリア形成を行う上で注意すべきすれ違い

女性がキャリア形成を行う上で、重要視すべき全職種で使える技術にコミュニケーションスキルがあります。

コミュニケーションは、時に「常識」だったり、「これまでの人生」を反映しているものと混同され、生まれ持った能力だと思っていらっしゃる方も多いのですが、実際には「スキル」であり、身に着けていくことができるものなのです。

そのコミュニケーションにもコツがいくつかありますが、今回は取り違い、すれ違いを防止するための一つのコツについてお伝えできればと思います。

1 ジングル・ジャングルの誤謬

様々な場面で議論がおこなわれることは、組織の活性化にとって非常に有益です。しかし、様々な場面において議論が嚙み合わないということがよくあります。

例えば、成果主義が本当に企業業績を高めるのか、ダイバーシティをどう推進していくのか、などについて活発な議論がなされるものの、賛成派と反対派の議論が噛み合わず、すっきりとした結論が出ないままうやむやになってしまうということがあります。

このような議論がかみ合わない原因の1つに、「ジングル・ジャングルの誤謬(jingle-jungle fallacies)」があると言われています。

「ジングル・ジャングルの誤謬」は、
①実際は異なるものなのに、それらに同じ名前が付いているために、同じものであると錯覚してしまうこと(ジングルの誤謬)
②実際は同じものなのに、違う名前が付いているために異なるものであると錯覚してしまうこと(ジャングルの誤謬)
の両方を指します。
なぜそうなるのかというと、私たちは、同じ名前ならば同じもの、違う名前ならば違うものだと当然のことに思っているのですが、現実の世界では、同じものに違う名前がついたり(例、関東のきつねうどんと関西のたぬきそば)、違うものに同じ名前(例、ぜんざい)がついたりすることがあるからです。
例えば医療の現場で、患者のことを「PT」と書くことがあります。Patientの略語として使われていますが、一方で理学療法士のことを「PT」と略し、字面だけを見ると同じ事が違う意味で用いられていることがあります。PTの世界では、患者のことを指す「PT」は「Pt」と小文字表記にして区別していることが多いのですが、理学療法士がもともといなかった組織では「PT」という表記が一般化しており、なかなか修正されない、なんてことがあります。

事業会社であっても同様で、例えば申請書の名前は一緒でも、記載する内容は別のこともあるでしょうし、転職してきた場合にはより顕著にその差を感じることがあると思います。

2 ジングル・ジャングルの誤謬を防ぐために

こういったものは、相手が持っているバックグラウンドや文化を理解することで解消していくことができます。

転職してきたばかりの時、部署移動してきたばかりの時などについては、こういったミスコミュニケーションに陥らないように、言葉の前提条件が合っているかどうかを確認していく必要性があります。

また、自分が指示を出す場合になった場合にも、できるだけその齟齬がないかの確認が必要になってきます。

その為には、相手が言っていることが自分の理解とあっているかどうかを適宜確認していく必要性があります。

会話の要所要所で、「それはこういう理解であっていますか?」「〇〇さんが言っていたのは、こういった話でよかったですか?」など、話のまとまり毎に確認をしていくことで、決定的な齟齬が起きないようにしていくことが可能になります。

そんなに確認をしたら、うるさがられないかな?と思うと思いますが、基本的にしっかり自分の会話の意図をつかもうとしてくれている、と相手にメッセージが伝わりますので、ご安心ください。

もし、自分が受け取っていた内容が違って訂正を受けた場合でも「確認して良かったです!教えてくださってありがとうございました。」「間違えずにすみます。〇〇さんのおかげです」といった謝意をしっかり伝えていくことで、相手も「確認されずに間違っていたら、ミスにつながった、それを防ぐことができた」と考えてくれるので、徐々に「確認されること」に抵抗感がなくなっていくはずです。

一方、自分自身が情報を伝えて相手に動いてもらう時にも同様です。例えば、相手が新人さんで、自分が先輩として教えている時に、「要するに、〇〇についてはこうやるんだよ」とか、「まとめると、△△ってことなんだよね」と時折要約を挟むことが有用です。

また、「しっかり」「きっちり」「すぐ」といった動詞を修飾する言葉については、実際は内容を具体的にしていないので、個々の判断にゆだねられてしまうため、自分が想像していた結果と違う結果になることがあります。

「しっかり確認してね」は、「ダブルチェックしてね」に変え、「きっちり整理整頓しておいてね」は、「一つ案件が終わったら必ずファイルにとじてね」に変えます。「すぐ連絡しておいてね」は、「この後〇時までに連絡をしておいてね」にして、時間を明確にします。

そうしておくことで、相手の理解と自分の理解を一致させていくことが可能です。こういったコミュニケーションを繰り返していくうちに、お互いのバックグラウンドや価値観、仕事の進め方やスピード感などが把握できるようになるので、より仕事はしやすくなり、相手から「仕事のしやすい相手」と理解してもらえますし、組んで行う仕事もスムーズになることで仕事自体の成果も上がりやすくなってくると思います。

いかがでしたでしょうか。

コミュ障だから、内気だから、引っ込み思案で、陰キャだから……といって、コミュニケーションをもう上達しないものとあきらめる前に、もう一度、自分自身で少しずつ始められるスキルアップできる一つの技術だと思って、練習を始めてみませんか。

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