女性のキャリアの悩みは万国共通?
女性のキャリアの悩みは、かなりライフイベントに左右されています。
これについては、皆さんも多く経験している、あるいは、見聞きしているのではないでしょうか。
交際をする、結婚をする、妊娠をする、出産をする、子育てをする、介護をする、など、様々なライフイベントがありますが、その都度、仕事をどうするのか、働き方をどうするのか、と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
また、こういった声はSNSも含めて多く社会に発信されており、日本は著しく子育て世代に厳しい国、子育てしにくい国なんじゃないかと思われている方も多いのではないでしょうか。
今回は、そのキャリアの悩みについて、日本以外の国にも焦点を当ててお話をしたいと思います。
これについては、皆さんも多く経験している、あるいは、見聞きしているのではないでしょうか。
交際をする、結婚をする、妊娠をする、出産をする、子育てをする、介護をする、など、様々なライフイベントがありますが、その都度、仕事をどうするのか、働き方をどうするのか、と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
また、こういった声はSNSも含めて多く社会に発信されており、日本は著しく子育て世代に厳しい国、子育てしにくい国なんじゃないかと思われている方も多いのではないでしょうか。
今回は、そのキャリアの悩みについて、日本以外の国にも焦点を当ててお話をしたいと思います。
1 この悩みは、日本特有なのか?
実は、アメリカでハーバード・ビジネス・レビューに「Executive Women and the Myth of Having It All(女性エグゼクティブと、すべてを手に入れられるという幻想)」という論文が発表されています。
この経済学者のシルビア・アン・ヒューレットが書いたこの論文では、社会的に成功している女性の多くが子どもを望んでいるにもかかわらず、実際には、年収が10万ドル(約1080万円)を上回る女性の49%に子どもがいないこと、そして、出産適齢期を過ぎたキャリア女性はそのことをとても後悔している、ということが報告されています。
ちなみに、同条件の男性では19%で子供がいないそうです。
2者の間に、実に、30%もの開きがあります。
自由の国、アメリカ、というくらいですし、個人の権利は守られている印象を持っていましたが、実施は社会保障制度という側面では、手薄です。
発表されたのは2002年ということですので、既に20年もたとうとしていますので、このころと状況は変わっているのかもしれません。
一方、日本ではざっくりとした数値でいうと、職業を有していた女性が妊娠出産を機に退職した割合は約半数くらいになります。半数は産休育休制度を使って勤務を継続しています。退職した人の何割かは復職をしていると考えられますが、実はいったん退職してしまうと、子育て中の女性の正社員への復帰率は非常に低いという報告があります。
例えば、社会保障制度が充実しており、子供が世界一幸福な国と言われるオランダでも、非正規雇用や女性のキャリアの問題はあり、正社員登用や、昇格の機会は低いといわれているようです。
この女性とキャリアの問題は日本特有ではなく、様々なケースがあり、一様ではありませんが、万国共通のものなのかもしれません。
この経済学者のシルビア・アン・ヒューレットが書いたこの論文では、社会的に成功している女性の多くが子どもを望んでいるにもかかわらず、実際には、年収が10万ドル(約1080万円)を上回る女性の49%に子どもがいないこと、そして、出産適齢期を過ぎたキャリア女性はそのことをとても後悔している、ということが報告されています。
ちなみに、同条件の男性では19%で子供がいないそうです。
2者の間に、実に、30%もの開きがあります。
自由の国、アメリカ、というくらいですし、個人の権利は守られている印象を持っていましたが、実施は社会保障制度という側面では、手薄です。
発表されたのは2002年ということですので、既に20年もたとうとしていますので、このころと状況は変わっているのかもしれません。
一方、日本ではざっくりとした数値でいうと、職業を有していた女性が妊娠出産を機に退職した割合は約半数くらいになります。半数は産休育休制度を使って勤務を継続しています。退職した人の何割かは復職をしていると考えられますが、実はいったん退職してしまうと、子育て中の女性の正社員への復帰率は非常に低いという報告があります。
例えば、社会保障制度が充実しており、子供が世界一幸福な国と言われるオランダでも、非正規雇用や女性のキャリアの問題はあり、正社員登用や、昇格の機会は低いといわれているようです。
この女性とキャリアの問題は日本特有ではなく、様々なケースがあり、一様ではありませんが、万国共通のものなのかもしれません。
2 女性活躍推進法で、状況は改善する?
日本では、女性活躍推進法という法律が制定され、女性が活躍できる社会を目指そうという機運が高まってきています。
しかし、ここで「活躍」として定義されているのは、どういったものなんでしょうか。
厚生労働省は「自らの意思によって職業生活を営み、又は営もうとする女性の個性と能力が十分に 発揮されることが一層重要。このため、以下を基本原則として、女性の職業生活に おける活躍を推進し、豊かで活力ある社会の実現を図る。」と定義しています。
そして、「女性に対する採用、昇進等の機会の積極的な提供及びその活用と、性別による固定的役割分担等を反映した職場慣行が及ぼす影響への配慮が行われること」「職業生活と家庭生活との両立を図るために必要な環境の整備により、職業生活と 家庭生活との円滑かつ継続的な両立を可能にすること」「女性の職業生活と家庭生活との両立に関し、本人の意思が尊重されるべきこと」ということが具体的に提起されています。
また、この点について数値目標の設定とその公表等が行われることを義務化しています。そして、この数値目標として挙げられているのが、①女性採用比率 ②勤続年数男女差 ③労働時間の状況 ④女性管理職比率などで、④については30%を目指す、と政府が明言しています。
こうやって国として女性が活躍できる場を作るために行動、あるいは指針を示してくれていることは、非常に心強いものです。
それは前提にありますが、「女性が家庭と仕事を両立できるような仕組みづくり」が推進され、その中でさらに「女性の管理職登用の促進」も明確に示されている一方、「男性が家庭と仕事を両立できるような仕組みづくり」はないのでしょうか?
逆説的ではありますが、女性には両立が求められて、男性にはそれが求められていないのか?ととることもできるのかもしれません。男性はいつまでも長時間労働をするしかないのでしょうか?
私としては、女性だけが両立を求められるのではなく、性役割意識によらない、お互いに荷物を持ち合うような社会にできるとよいと思っているので、女性活躍推進法については、その起爆剤であるという認識をしています。
目指す形は、どんな人も自分の生活が物理的にも、経済的にも、精神的にもより豊かになるような社会であると考えます。
なので、例えば女性活躍の形も管理職になる、あるいは昇格する、というだけが答えではないですし、自分が望んでいる働き方を選んで、その場で能力を発揮できるような形でも当然よいわけです。
管理職になる、正社員になる、経済活動としての労働を行うということだけが「活躍」ではないのですから。
現在の結論として、女性活躍推進法「だけ」では状況は改善しないけど、起爆剤として機能させることは可能で、機能させるかどうかは、今社会にいる私達一人一人が社会をよりよい方向へ向けて変化させていこうと思い行動することが、推進力になっていくのかな、と思っています。
しかし、ここで「活躍」として定義されているのは、どういったものなんでしょうか。
厚生労働省は「自らの意思によって職業生活を営み、又は営もうとする女性の個性と能力が十分に 発揮されることが一層重要。このため、以下を基本原則として、女性の職業生活に おける活躍を推進し、豊かで活力ある社会の実現を図る。」と定義しています。
そして、「女性に対する採用、昇進等の機会の積極的な提供及びその活用と、性別による固定的役割分担等を反映した職場慣行が及ぼす影響への配慮が行われること」「職業生活と家庭生活との両立を図るために必要な環境の整備により、職業生活と 家庭生活との円滑かつ継続的な両立を可能にすること」「女性の職業生活と家庭生活との両立に関し、本人の意思が尊重されるべきこと」ということが具体的に提起されています。
また、この点について数値目標の設定とその公表等が行われることを義務化しています。そして、この数値目標として挙げられているのが、①女性採用比率 ②勤続年数男女差 ③労働時間の状況 ④女性管理職比率などで、④については30%を目指す、と政府が明言しています。
こうやって国として女性が活躍できる場を作るために行動、あるいは指針を示してくれていることは、非常に心強いものです。
それは前提にありますが、「女性が家庭と仕事を両立できるような仕組みづくり」が推進され、その中でさらに「女性の管理職登用の促進」も明確に示されている一方、「男性が家庭と仕事を両立できるような仕組みづくり」はないのでしょうか?
逆説的ではありますが、女性には両立が求められて、男性にはそれが求められていないのか?ととることもできるのかもしれません。男性はいつまでも長時間労働をするしかないのでしょうか?
私としては、女性だけが両立を求められるのではなく、性役割意識によらない、お互いに荷物を持ち合うような社会にできるとよいと思っているので、女性活躍推進法については、その起爆剤であるという認識をしています。
目指す形は、どんな人も自分の生活が物理的にも、経済的にも、精神的にもより豊かになるような社会であると考えます。
なので、例えば女性活躍の形も管理職になる、あるいは昇格する、というだけが答えではないですし、自分が望んでいる働き方を選んで、その場で能力を発揮できるような形でも当然よいわけです。
管理職になる、正社員になる、経済活動としての労働を行うということだけが「活躍」ではないのですから。
現在の結論として、女性活躍推進法「だけ」では状況は改善しないけど、起爆剤として機能させることは可能で、機能させるかどうかは、今社会にいる私達一人一人が社会をよりよい方向へ向けて変化させていこうと思い行動することが、推進力になっていくのかな、と思っています。
3 女性のキャリアを考える時に必要な男性のキャリアの変革
さて、そうなると、男性のキャリアについても、もっと考えなくてはいけません。
日本では2022年に法改正があり、男性の育児休業について整備が進んでいます。これは、期間が長くなるというよりは分割したり、あるいは育休を取りながら部分的に勤務も継続できるといったような、働き方、休み方の多様化を進める動きです。
一方、例えば平日昼間の公園は女性だらけですし、商業施設では女性側のトイレにしかおむつ替えシートがなかったりします。大きい商業施設では、おむつ交換等ができるスペースがトイレと別に設けられていますが、「男性だけでは入りづらいスペース」になっています。
例えば、そこに入って、子供のおむつ交換をしていたら、隣にいる女児のおむつを替えた女性に嫌な顔をされる、なんてこともあるようです。
こういったことも、必要性が高まらないとなかなか変化していきませんから、今丁度過渡期にあるのかもしれません。
諸外国の中には、育児休暇が男女ともに認められている国が他にもあるので、先行している国がどのように制度を運用し、多様化が進んできたかをしっかり情報収集し、よいところは取り入れられたらよいと思います。
毎日新聞は10~12月、埼玉大学社会調査研究センターと共同で、時事問題に関する世論調査「日本の世論2022」を実施したことを報告しています。
日本は子育てしやすい国だと思うか尋ねたところ、「子育てしやすい」との回答は17%、「子育てしにくい」の44%、「どちらとも言えない」は37%だったそうです。
この結果を見ると、まだまだ日本は子育てしにくいと感じている人が多いのだと思われます。
男性が、当たり前に育児を行い、その為の休みを取ることで、社会全体も変っていくのではないでしょうか。
日本では2022年に法改正があり、男性の育児休業について整備が進んでいます。これは、期間が長くなるというよりは分割したり、あるいは育休を取りながら部分的に勤務も継続できるといったような、働き方、休み方の多様化を進める動きです。
一方、例えば平日昼間の公園は女性だらけですし、商業施設では女性側のトイレにしかおむつ替えシートがなかったりします。大きい商業施設では、おむつ交換等ができるスペースがトイレと別に設けられていますが、「男性だけでは入りづらいスペース」になっています。
例えば、そこに入って、子供のおむつ交換をしていたら、隣にいる女児のおむつを替えた女性に嫌な顔をされる、なんてこともあるようです。
こういったことも、必要性が高まらないとなかなか変化していきませんから、今丁度過渡期にあるのかもしれません。
諸外国の中には、育児休暇が男女ともに認められている国が他にもあるので、先行している国がどのように制度を運用し、多様化が進んできたかをしっかり情報収集し、よいところは取り入れられたらよいと思います。
毎日新聞は10~12月、埼玉大学社会調査研究センターと共同で、時事問題に関する世論調査「日本の世論2022」を実施したことを報告しています。
日本は子育てしやすい国だと思うか尋ねたところ、「子育てしやすい」との回答は17%、「子育てしにくい」の44%、「どちらとも言えない」は37%だったそうです。
この結果を見ると、まだまだ日本は子育てしにくいと感じている人が多いのだと思われます。
男性が、当たり前に育児を行い、その為の休みを取ることで、社会全体も変っていくのではないでしょうか。