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産後の無理のない働き方のホントのところ

産後の無理のない働き方のホントのところ

産後の無理のない働き方のホントのところ

産後の女性が、家事・育児・職場復帰として何らかの働き方をしていく時には、家族との調整や仕事の調整、保育園や幼稚園、ベビーシッターなどの様々な事柄について調整を行っていく必要性があります。

また、働き方というと、常勤にするか、時短にするか、非常勤にするかなど、働き方というと、そういった側面を考慮することも非常に重要になってきます。

こういったいろいろな部分において調整をしていく必要性がありますが、もう一つ大切な調整があります。

それは、産後の女性の身体面のケアです。

心と身体といったように分けて話されることが多いのですが、実際には表裏一体で、身体的な不調は精神的な不調にもつながりますし、逆のパターンもよくあることです。

例えば、肩こりがひどく、頭痛がずっとある場合、心穏やかに笑って過ごせるでしょうか?腰痛がひどい時に、元気よく、働くことができるでしょうか?

産後は、自然分娩だったにせよ、帝王切開等の外科的治療が必要だったにせよ、女性の身体には非常に大きな変化が起こっているのです。

どう働くか、の前に、動ける身体に戻していくことが重要です。

1 出産は女性の身体にどういう変化を与えるのか?

妊娠出産で、ホルモンバランスの変化が起こったり、体調に変化があることは、多かれ少なかれ皆さんが経験されていることと思います。

月経に従って体調が悪くなる方もいらっしゃいますし、その重症度も様々ですが、つわりや貧血など、マイナートラブルと言われるものから、妊娠高血圧症候群等重篤な症状につながっていくようなものもあります。

また、お腹が大きくなってくると、どうしても姿勢が代わり、今までと姿勢の調整の仕方が変わってしまいますし、お腹が大きくなることで腹筋が大きく伸ばされ、働きづらくなります。

出産後は、非常に大きな疲労もありますし、帝王切開は腹部を切開しているため、人によっては皮膚の癒着や疼痛が残るケースがあります。また、産前に積み重ねてきた身体のバランスが大きく変わることで、腰痛や肩こりなどの不調が起きやすくなってしまします。

赤ちゃんを抱っこするようになれば、肩こりや腱鞘炎が寝不足の身体に重なって起きてきます。
また、子供は徐々に大きくなってきますし、抱っこしながら家事をするようなことも出てきますので、子供が大きくなればなるほど、物理的に身体に与える影響は大きくなります。

一般財団法人日本女性財団は令和4年度 独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業として出産経験のある女性6505 名(出産件数 11,570 件)を対象に、「妊娠中・出産後の母体の身体トラブル実態調査」を特定非営利活動法人リマインドと協力して実施した結果を報告しています。

その報告では、回答者の 91%(8680件)に妊娠中・出産後に腰痛、尿失禁、骨盤痛、腱鞘炎など身体トラブルがあり、家事、育児、職場復帰への不安、精神状態低下、二人目妊娠の躊躇とも大きく関連していることが分かっています。

産後はどうしても赤ちゃんのことが中心になり、母親の身体をケアについては、後手、あるいは放置になりやすいという現状が浮き彫りになった報告で、非常に重要な調査が行われたと感じました。

この結果は、1.母子健康手帳への産後健診時の母体身体トラブルに関するアセスメントを追加、2.産前産後の母体の身体ケアの充実(セルフケア指導・医療行政機関でのケア・産後ケア事業拡充等)に関する要望書として取りまとめられ、厚労省を中心とした関係各所に提出されたとのことです。

今後、女性の産後ケアがもっと充実してくるきっかけになっていくと思われます。

2 産後の身体のいたわり方

まずは、物理的に体をしっかり休めることが重要です。どうしても「ちゃんとやらなきゃ」「しっかりしなくては」と頑張ってしまう方が多いですが、産後は腹部の手術後と同じですので、無理をしないことが重要です。

里帰りが可能な場合はしていただくのもよいですし、旦那さんにお休みを取ってもらうのでもよいと思います。

家事はできるだけさぼれるところをさぼって、身体を休めることを優先しましょう。
いくつか、よく負荷がかかる身体の使い方と、その対処方法についてご紹介します。

ベビーベッドの高さ

ベビーベッドを使う場合で、大人のベッドに横づけして添い寝をする場合を除いて、居間などで使う場合には、ベビーベッドは高さのあるものを選択して、子供を寝かせる際に、腰に負担がかからないようにしましょう。

目安になるのは、自分が立った状態で中腰にならなくてもよい高さです。身長165センチくらいある方であれば80-85センチくらいあると、腰に対する負担感が軽減します。

子供を抱っして寝かしつけてからベッドに寝かすことが多いので、繰り返し低い場所におろす姿勢が腰痛を悪化させる場合があります。

抱っこ紐はどういったものが良い?

子供が小さいうちは、密着度が高いスリングは赤ちゃんもよく寝てくれることと、そのままベビーベッドに下ろしておけることからおススメですが、スリングは片方の肩にかけるタイプが簡便で使いやすいため、選択されがちです。

しかし、片方の肩に負担がかかり続けるため、肩こりや腰痛の原因になりやすいので、注意が必要です。

家の中で、あるいは短時間の使用に限定させるなどの工夫が必要ですが、手で抱っこすると腱鞘炎にもなりやすいので、どれも同じ姿勢を長時間取り続けないようにするのが良いでしょう。

外出には、着脱がしやすく、両肩と腰部で固定をする形の抱っこ紐がおススメで、男性も付けれるものを選ぶか、あるいは2つ準備をして、夫婦で外出する際には、できるだけ旦那様に抱っこをしてもらいましょう。

買い物についてはネットスーパーを使って

買い物についてですが、特に重いものを中心に、自分自身で運ばず、できればネットスーパーなどを用いて、楽をしてください。

ベビーカーがあれば一定程度できると思うと思いますが、ベビーカーでいくと買い物かごを持つのも大変ですし、スーパーなどにあるベビーカートは新生児には使えないものが多いのです。買い物したものをベビーカーのフックに引っ掛けると重さによってはベビーカーがひっくり返ります。事実、私自身も何度もひっくり返しているママたちを目撃しています。

ベビーカーでないとしたら、抱っこ紐などで行くことになると思いますが、やはり両方を運んで行き来するのは非常に骨の折れる仕事になります。

ネットスーパーでは、値段が増えると、配送料が無料になるものがあります。

重いものを子連れで運ぶの大変ですし、疲労や疼痛の原因になることも多いので、うまく商品を組み合わせて購入をしていきましょう。

3 少しずつ動けるようになってきたら

少しずつ動けるようになってきたら、いよいよ、身体を動かす時期になってきます。
ストレッチや、軽い運動を少しずつしていきましょう。

肩こりや腰痛の一部は、筋肉が凝り固まってしまったことにより起こるものがあるので、軽い運動を行うことで、筋肉を動かし、血液の流れをよくすることで状況が改善することがあります。

子育てや、仕事との両立をしている間に、自分自身のためだけに時間を使うことは難しいかもしれませんが、毎日の生活は、短期的なものでなく、長期的な日々の積み重ねになります。

少しずつでもよいので、自分のためだけの時間を作り、自分のメンテナンスに充てましょう。

まとまった時間が難しいのであれば、家事の合間に少しだけ行う形でも結構です。
ストレッチなどをして、自分の身体と対話する時間を作りましょう。

こちらの記事もご覧ください

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◎産後の職場復帰後の女性のライフバランス3つのタイプ
◎女性のキャリア、出世したくないなんてアリ?

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